オールタイムベストテン!  マイベスト

キネマ旬報が、日本映画、外国映画でそれぞれオールタイムベストテンを募集しています。

僕も応募してみようと思いますが、オールタイムベストテンは、何度か自分でも選んでいて、そのときそのとき、自分が置かれた状況で常に変化していきます。

「シネKING」放送開始以来、生涯の一本は何ですか?と聞かれることが多いのですが、一本に絞るのは難しく、この質問は、正直、困ってしまいます。その日の気持ちで、その「一本」が違うこともあるのです。まあ、上位10本ぐらいは、大体一緒ですが・・・。

で、これは、あくまで個人的なオールタイムベストテン、です。

よく、「どうしてかの傑作である●●●●が入ってないの?」と聞かれますが、基本的に、リアルタイムで、映画館で観た映画が、どうしても心や気持ちに残るもので、あとからビデオで観たものは、どんなに名作でもなかなか上位には行かないものです。もちろん、名作と言われるもので、未見の作品も、たくさんあります。

まあ、だから映画はいい、のでしょう。

「え?こんな映画が好きなの?」「そうなんですよ。実はこれ、結構いい映画なんですよ」。「これ、サイテーだよ」「そう?僕は大好きだけどなあ」こんな会話もずいぶんしましたが、一本の映画で、100人観客がいれば、100通りの感じ方があるのだから、それも当然でしょう。

ということで、現時点の、マニィのオールタイムベストテンです。今年、観た映画はまだ印象が強いのか、他作品となかなか比較できず、ベストテンに入れていいかどうか迷ったので、あえて外しています。是非、皆さんのオールタイムベストテンも教えてください。

★日本映画
@「チルソクの夏」
…もう、僕の肉体というか、心の一部になっています。目を閉じて、ひとつひとつのシーンを思い浮かべるだけで、心の奥がジワーっと温かくなります。いろいろと辛い時、いつもこの映画のことを想うのです。この映画がなければ、僕は今も新聞社に勤務していただろうし、現在の僕はなかった。正に、僕の人生を変えた「一本」です。

A「砂の器」
…小学校5年のとき、この映画を劇場で観なければ、僕は日本映画を好きになることはなかったでしょう。これもまた、僕の人生を変えた「一本」です。そして、音楽に興味を持ったのも、この作品がきっかけでした。クライマックスの、ステージで演奏する音楽家を、袖で見つめながら名セリフを呟く刑事の丹波哲郎の姿が忘れられません。

B「仁義なき戦い」
…深作欣二監督の作品は、晩年の数作品を除いて、本当に熱狂しました。傑作の呼び声高い「仁義の墓場」も素晴らしいけれど、やっぱりこれかな、と。手持ちカメラの凄まじさと俳優さんたちの凄み。「広島死闘編」も傑作ですが、僕的には第1作のインパクトには勝てませんでした。「復活の日」や「宇宙からのメッセージ」「バトル・ロワイアル」など、作品の完成度は別にして、心から愛している映画が深作監督作品にはたくさんあります。

C「夕凪の街 桜の国」
…「チルソクの夏」の佐々部清監督の傑作。この作品もまた、僕の心に染み入ります。ひとつひとつの場面、セリフがたまらなく愛おしい。音楽も素晴らしく、各シーンを彩ります。麻生久美子さんが高い評価を受けて賞をたくさん取りましたが、個人的には、田中麗奈さんが素晴らしかったからこそ、の麻生さんの名演技だったと思います。過去と今を繋ぐ見事な展開、生命の繋がりという、人が生きるうえで最も大切なことを、原爆という悲劇を背景にしながら表現した語り口など、この「映画」こそ、後世に語り継いでいかねばならない一本だと思います。

D「太陽を盗んだ男」
…作品数も少ない、長谷川和彦監督の傑作。時代の空気感というか、かわいた感じが素晴らしい。犯罪の意味や意義なんてものもなく、ゲームとして展開される、中学教師のとてつもない犯罪。そこに絡む熱い刑事。犯人の要求である、ローリング・ストーンズの日本公演も、巨人戦の完全中継も実現しましたが、そんな現代から見ても、新しい、と感じるセンスが凄いです。大学時代にビデオで観た同監督作品「青春の殺人者」も、観終わったあと、興奮して街に飛び出し、雨の中を走ったことがありました。

E「ルパン三世 カリオストロの城」
…中学三年生のころ、公開されて日曜日になると、朝から夕方まで繰り返し観た、アニメの名作。アクションの配分、ストーリー展開、ユーモアのセンス…どれも一級品。同時上映の「MrBOO!インベーダー作戦」の邪魔だったこと、邪魔だったこと。僕にとっては、宮崎駿監督の作品と言えば、その後の名作よりも、この「カリ城」なのです。

F「ゴジラ」(1954)
…ベストテンのうち、この作品と10位の「星空のむこうの国」は、ビデオ観賞のみ。三歳のとき劇場で観た「キングコング対ゴジラ」が最初の映画館体験のはずなのだが、その後、特撮マニアとなり、やっとビデオで観た「ゴジラ」第一作のインパクトは忘れられない。これも興奮して、街を走ったっけ。

G「キャバレー日記」
…いわゆる“日活ロマンポルノ”の傑作。山口市のポルノ映画専門館、ニュー泉都で観ました。確か未成年だったはずで、年齢をごまかして入った記憶が…。「サイドカーに犬」の根岸吉太郎監督作品。伊藤克信の妙にとぼけた演技がおかしいのと、ヒロインの竹井みどりさんのまあ美しいこと!「チルソクの夏」で、スクリーンで竹井さんに再会したときは、嬉しかったなあ…。軍隊式のピンク・サロンで繰り広げられる悲喜劇が、切なくも面白い、傑作です。

H「夢」
…世間的には、黒澤明監督作品は、往年の名作群に比べ、晩年の作品は評価が低いものの、僕的には劇場で観たこの作品の、浮き世を超越したかのような世界感が大好きで、とくに「トンネル」「きつねの嫁入り」はお気に入りです。もちろん「七人の侍」「天国と地獄」「椿三十郎」「用心棒」も大好き。でも「乱」「影武者」「まあだだよ」「八月の狂詩曲」は正直、映画館で「???」でした。

I「星空のむこうの国」
…小中和哉監督の小品。少年ドラマシリーズにオマージュを捧げた、16ミリのほとんど自主映画のような作品ですが、ここで展開される、SF純愛ファンタジーに心奪われました。当時、僕は確か浪人生だったはずで、この映画を観て、何とも切ない気分になったのを思い出します。学校から帰ると、自分は死んだことになっていて…というオープニングがいい。別の世界で、死んだ「僕」のガールフレンドに出会うが、その少女は余命いくばくもなく…。そこからの展開が、切なくてたまらない、です。

※あと、「日本のいちばん長い日」「ブルークリスマス」「七人の侍」「海と毒薬」「天国と地獄」「カーテンコール」「半落ち」「出口のない海」「復讐するは我にあり」「ゆきゆきて、神軍」「遠雷」「の・ようなもの」「家族ゲーム」「それから」「野獣死すべし」「最も危険な遊戯」「ア・ホーマンス」「誰も知らない」「天国と地獄」「青春の殺人者」「幸せの黄色いハンカチ」「息子」「新幹線大爆破」「冬の華」「泥だらけの純情」「八甲田山」「聖職の碑」「映画クレヨンしんちゃんモーレツ!オトナ帝国の逆襲」などがこぼれましたが、これらの作品は、時によっては、いつベストテンに入ってもおかしくない作品群です。

★外国映画
@「誰かがあなたを愛してる」
…大学生のときに観た、メイド・イン・香港の恋愛映画。やっぱり、僕の外国映画のベス・ワンは、いつの時代も、この作品になってしまいます。「宋家の三姉妹」のメイベル・チャン監督作品。ニューヨークを舞台に、不器用な中国人同士の男女のすれ違いを描いた作品で、最近はこういうど真ん中ストレートの恋愛映画が、邦画、洋画ともに少ない、と思います。大人になり切れない、アメリカ社会にも馴染めない、チョゥ・ユンファ演じる男の姿が実に切ないのです。秋のニューヨークの風景も素晴らしい。調べたら、DVDの新版が出ていた。買おうかな…。

A「ニュー・シネマ・パラダイス」
…この作品も、いつどんな時でも、3本指には入ります。「映画」、そして「映画館」というものに、幼少期から青年期、そして現在に至るまで、様々に「人生において大切なもの」を教えてもらった人が観ると、たまらなく愛おしくなる、そんな作品です。サントラ盤を擦り切れるまで聞いて、三回ぐらい買い直しました。期待して観た「完全版」は正直、あまり良くなくて、カットしたエピソードが余分なものに思えました。映画を「切ること」も大切なのだなあ、と改めて感じた作品です。

B「スタンド・バイ・ミー」
…少年期特有の、冒険心と不安、憧れ。時代も国も違うのに、自分の少年時代とダブってしまう不思議さ。ラスト、大人になった主人公の切ないナレーションもいいです。リバー・フェニックス、亡くなったんだよなあ…。

C「ライフ・イズ・ビューティフル」
…同じテーマの「シンドラーのリスト」も素晴らしいが、コメデイタッチの中に、生きる、ということの物悲しさ、そして素晴らしさ、戦争の愚かさが、ひしひしと伝わる名作です。どんな映画を観ても、すべてタイトルや物語を忘れる、という僕の奥さんが、10年経っても唯一、タイトルと内容が言える作品でもあります。

D「ジョーズ」
…映画館で観た映画で、「何て映画は面白いのだろう!」と最初に思った作品は、邦画が「砂の器」なら、洋画はこの作品。これも、小学5年でした。興奮しまくって、観たその日から、毎日「ジョーズ」のいろんなシーンをイラストに描いては、一人で喜んでいたっけ。ロイ・シャイダーも亡くなってしまった…。USJのアトラクションで、船に乗っていて「こちら、ブロディ署長!」って流れただけで、泣きそうになりました…。

E「フィールド・オブ・ドリームス」
…今、野球に夢中な息子とキャッチボールをしているだけで、この映画を思い出して、泣きそうになってしまいます。亡くなった若い父親と、少し年老いた息子が、ただ淡々とキャッチボールをする場面がいいんだよな、と心から思います。1歩間違うと、「危ない」映画なのだが、何故か感動してしまうのは、「野球」と「家族」を結びつけたからでしょうか。

F「燃えよドラゴン」
…ジャッキー・チェンは先生と呼ぶくらい尊敬しているが、最初に観た映画で、心からクンフー・アクションに感動した映画と言えば、これでしょう。ラスト、鏡の部屋での死闘のシーンは素晴らしい!この映画の名セリフ、「考えるな、感じろ」は僕の、座右の銘のひとつです。

G「殺人の追憶」
…香港映画の旗手、ポン・ジュノ監督の大傑作。連続猟奇殺人事件を追う刑事たちの姿を、80年代の軍事政権下の韓国の世情と浮き彫りに照らしながら描いた、見事な作品。時代的な閉塞感、刑事たちの人間くささなど、本当に素晴らしい。かつての野村芳太郎作品や今村昌平監督作品の雰囲気を漂わせていますが、この監督さんは日本映画の影響を堂々と口にしながら、きちんと自分の世界を作っています。最近の日本映画には明らかにこの作品の影響かな、と思う作品もあります。次作「グエムル〜漢江の怪物」も、日本の怪獣映画やアニメの影響が見られるものの、独自の切り口で韓国の現代性を見事に切り取っているからスゴイ。

H「ブレード・ランナー」
…リドリー・スコット監督による、SF映画の金字塔。この映画に漂う終末観や、東洋的な死生感は、実に新鮮で痛烈でした。今でもこの映画を思い出すと「強力わかもと」が飲みたくなり、屋台でうどんが食べたくなります。ハリソン・フォードが渋く、のちにB級映画専門となるルトガー・ハウアーが実にカッコいいです。


I「ダークナイト」
…つい最近の映画ですが、ヒーロー物、アクション映画というジャンルで、人間の心に巣くう善と悪、というテーマを突き詰めた傑作だと思います。ここで語られる善と悪は、「バットマン」という作品だからこそ、描けたものであり、同じようなテーマでも「ノー・カントリー」になっちゃうと後味は最悪なのだけど、こういう風に料理してくれると、バンバン人も死んでダークなのだけれども、ヒーロー物特有のカタルシスは残るから不思議です。

※洋画もいっぱいこぼれました。「ザ・コミットメンツ」「ワイルドバンチ」「プラトーン」「フルメタルジャケット」「2001年宇宙の旅」「スター・ウォーズ」(エピソード4/新たなる希望)「ローマの休日」「ウエストサイド物語」「街の灯」「アマデウス」「12人の怒れる男」「タクシードライバー」「ディアハンター」「コンタクト」「ゴッド・ファーザー」(第1作)「ショーシャンクの空に」…ベストテン内に入りそうな映画を考えていると、こちらもキリがありません。
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2009/7/7  23:44

 

 出張先でクタクタになってホテルに戻り、テレビのスイッチを入れた。 いきなり中国地方(広島・山口・島根石見)と思われる言葉が飛び出してきた。ローカル番組でなく映画のようである。しばらく見ていると萩か長府のような武家屋敷のシーンが展開。時代設定は、どうやら 




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