BALLAD 名もなき恋のうた  新作レビュー

観た日/8月某日 ★★★

「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!アッパレ戦国大合戦」を実写映画化するとは、山崎貴監督もまた、大胆なことをしたものである。

アニメやコミックなどを観て「ああ、これ、実写化したい!」と思うのは、作り手であるなら、世の常だろう。それが実現できる山崎監督・・・うらやましい。

「三丁目の夕日」シリーズでヒットメーカーとなり、良作・秀作を作れる手腕を示したからこそなのだろうが、「クレしん」に目を付けた辺りに、山崎監督の眼はやはり鋭いというか、クリエイターとしての意識の高さが伺える。

それで、この実写版だが、クオリティも高く、原作の味のひとつである、戦国時代の合戦のリアリティ、という点では見事な映像を見せてくれる。VFXの使い方も上手く、ストーリー展開も面白いし、最後まで観客を飽きさせない。

ただし、どうしても元となったアニメ作品があるだけに、それと比較されるのは仕方ないところだろう。実はこの映画、驚くほどに原作に忠実なのだが、忠実すぎて、少々弱いところも出てしまったようにも思う。

原作は「クレヨンしんちゃん」という世界が最初にあって、しんちゃんをどう戦国時代にあてはめ、活躍させるか、というところから発想が始まっていたと思うのだが、この映画では原案のストーリーをなぞってしまったために、アニメなら許される部分も、実写にしてしまうと、苦しい部分も出てしまった。

例えば、タイムスリップの意味やタイミングも、もう少し説明がほしいところだが、そこは原作をなぞってしまったがために、少々あいまいになってしまった。

少年の父親の職業をカメラマンにすることで「写真」や「映像」のエピソードを膨らませたり、実写版ならではの工夫もある。だが、本当に現代人が戦国時代にタイムスリップしたら、もっとカルチャーギャップがあると思うのだが、その辺りは妙にアッサリしていて、ちょっと物足りない感じも受けた。

主演の草なぎ剛は堂々としていてなかなかの好演で、ヒロイン役の新垣結衣も可憐でいい。原作とは違う、余韻が残るラストもいい効果を出している。

0



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ




AutoPage最新お知らせ