宇宙戦艦ヤマト 復活篇  新作レビュー

★★

僕は、いわゆる「ヤマト」世代なので、youtubeなどでヤマト発進のシーンなんかを見ているだけで、涙腺がゆるんでしまう。

そんな僕だが、どうもこの「復活篇」は、享受できなかった。ごめんなさい、である。

絵柄が違う、云々は関係ない。キャラクターデザインが変わろうとも、古代進は古代進であり、真田さんは真田さんである。

むしろ、リ・イマジネーションが流行している現代にあって、「新しいヤマトを作ろう」という意気込みは、ファンの人々からも歓迎されるべき、だと思う。

だが…今回の復活篇は…正直、お話のつじつまにかなりの無理があり、一貫性がない。娘を救出に向かった古代進の行動は????だし、後半はストーリーが完全に破綻する。

ヤマトを支持してくれた星が、敵役の異星人連合の攻撃にさらされながらも、ヤマトは政治的な判断からその攻撃に立ち向かえず、古代艦長が悩む、というシーンが出てきて、「えらい政治的なお話やなあ」と思っていたら、何と、原案は石原慎太郎東京都知事!…凄い。

まあ、この辺りは面白かったのだが、リアルで一貫するならまだしも、ご都合でコロコロ設定や物語が変わるので、スクリーンの前でしばし呆然としてしまう。

あと、スケジュールも大変だったのだろうが、作画に一貫性がなく、場面によってキャラクターの顔が違ったり、動画のクオリティがとんでもなく低いシーンがある。ただし、ヤマト発進や戦闘シーンなどはとんでもなくクオリティが高く、ここは興奮する。メカニック描写も新時代のヤマト、という感じでなかなか。

石原都知事の名前がスクリーンいっぱいに大写しになって、さらにでかい字体で原作者でもある監督の名前が出てきたときには、思わずのけぞったが、いい意味でも悪い意味でも、この原作者の方のプライベート・フィルムになってしまったのだろう。

恐らく、これは推察だが、僕が熱狂した最初の「ヤマト」は、この原作者が描いた暴走がちな想いや物語を、松本零士さんや豊田有恒さんら才能豊かなスタッフたちがバランスよく調整し、それぞれの個性を発揮したからこそ、あの傑作に成りえたのだろう。

いろいろ書いたが、久しぶりにスクリーンで「ヤマト」を見られたこと、は素直に嬉しかったし、原作者・監督に感謝したい気持ちである。紆余曲折がありながら、ヤマト復活にこぎつけ、東宝配給という、バリバリのメジャー劇場用作品にまで持って行ったのだから、それは凄まじい執念であり、素直に凄い!!と思う。

12月には、いよいよ実写版も登場する。テレビで今年の元旦に流れた予告編を見る限りには、かなりの期待が持てそうだ。監督は、僕と同い年の山崎貴監督。ヤマト世代であり、スター・ウォーズで映画への道を志した山崎監督だけに、その手腕に期待したい。
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