バルトの楽園  新作レビュー

見た日/6月某日 ★★★

 東映が、「八高田山」「砂の器」「かあちゃん」などを製作したシナノ企画と組んで作った大作。第一次世界大戦当時、徳島県に実在したドイツ兵の捕虜収容所を舞台に、軍部に反発し、信念に基づいて捕虜たちを優遇した所長を描く。捕虜たちが収容所を去るときに感謝を込めてベートーベンの第九を演奏し、これが日本での第九初演だった、というエピソードを映画化したもの。

 最後の第九シーンは捕虜たちの演奏、合唱にしては上手過ぎるものの、なかなか感動的なのだが、出目昌信監督の演出は淡々としていて、最後のクライマックスに向けてなかなか盛り上がらない。かと言って一つ一つのエピソードは感動的にとようという意図も見えるので、ちょっと中途半端になってしまった。

 松平健はなかなかの好演で、この人はあばれん坊将軍以来、どうも役柄に恵まれなかったが、やっと活路を見出した、という感じ。そのほかの俳優陣については、配役はなかなか豪華なのだが、平田満ら達者な俳優を揃えていながらその魅力を生かしきれてない。


 いろいろ書いたが、最後の第九とエンドタイトルのカラヤン指揮、ベルリンフィルの第九がよかったので★はちょっと辛目の三つ。どうも、僕は東映作品には甘い。
0



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ




AutoPage最新お知らせ