児玉源太郎・・・「二百三高地」、そして丹波哲郎氏  映画つれづれ

きょう(6/11)付けの地方紙「日刊新周南」の記事によると、周南市観光協会が、明治期に活躍した周南市出身の軍人で政治家の児玉源太郎の銅像を作る、という計画を立てているという。

NHKで放送している「坂の上の雲」に児玉が重要な役で登場することもあって、盛り上がっているのだろう。

で、児玉の命日に合わせ、7月23日から25日まで、周南市内の映画館、テアトル徳山Tで映画「二百三高地」を上映し、この収益金も銅像建立の資金に充てるらしい。

児玉源太郎については、僕も、記事を書かせてもらっている雑誌「月刊まるごと周南」で前編後篇にわたって特集をしたので、興味はある。

その雑誌では児玉が生まれてから亡くなるまで、その業績などを文章と写真で細かく紹介したが、もちろん「二百三高地」についても紹介した。児玉のひ孫にあたる故・児玉進さんは実は映画監督で、松田優作さん主演の「乱れからくり」(1979年)やテレビドラマ「太陽にほえろ!」「レインボーマン」などの演出で知られていることを書いた。

さて、「二百三高地」だが、この映画、メチャクチャ長いけれど、結構、好きだったりする。脚本は「仁義なき戦い」の笠原和夫氏だ。

公開時、右翼映画の権化みたいにマスコミに叩かれていた記憶がある。昭和55年の公開で、当時は日本の軍人を描くことに抵抗感が強いマスコミが今より多かったように思う。

当時、僕は高校生で、そんなに“右翼チック”には思わなかった。白兵戦のシーンはよくできていて、戦争の最前線は壮絶な殺し合いであることが、リアルに伝わってきた。

リアルな戦場シーンによって反戦を醸し出す…のちのちスピルバーグがやった「プライベート・ライアン」での手法を先駆けて展開している。

児玉や乃木というお偉いさんだけでなく、戦場に一兵隊として赴いたロシア文学を愛する教師や若い豆腐屋(キャスティングが演歌歌手の新沼謙治という意外さ!これが好演)ら、平凡な庶民が壮絶な戦争を体験する、というシークエンスを加えることで、映画に深みも出ていたように思う。

…で、とにもかくにも凄いのは、やっぱりタンタンタンバリンの大霊界、いやいや大御所の丹波哲郎氏なのだ。

丹波氏って凄いのは、どの映画も全部一緒。あの抑揚のつけたしゃべり方、独特な表情、監督によって多少の違いはあるけれども、基本的に一緒。セリフを覚えず現場に来られていた、というからまたまた凄い。

この映画では、児玉の実像ともずいぶん違うような気もする…けれど、その存在感というか、重さというか、悲痛さというか、やっぱり凄いんだな、これが。で、やっぱり「児玉源太郎」に見えちゃう。

正に「丹波哲郎」という、ひとつのジャンルのような気がする。演技が上手いとか、下手とかいう次元ではない。これは、「三船敏郎」にも共通することだと思う。

そんな丹波氏で、およそ丹波氏らしくないのに、「巧い!!」とうなったのは、山田洋次監督の「学校W」。あの屋久島まで冒険に来た家出中学生(佐々部監督作品の常連さん、金井勇太さん。好演!!)に親切にするのが、地元のジジイの丹波氏。これは自然体で、セリフも長くて、丹波氏晩年の新境地だった、と思う。

話がそれたが、東映が当時、威信をかけて作った戦争大作「二百三高地」。今ならCGを駆使するのだろうが、アナログ的な特撮と、人員総動員の壮絶な戦闘シーンは必見の価値あり。DVDはもちろん出ているが、お近くの方は、是非、この機会にスクリーンでご覧頂きたい。
3



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ




AutoPage最新お知らせ