奇跡  新作レビュー

★★★★★

ドキュメンタリーのように子どもたちの気持ちや表情を追いながら、大人たちがしっかりとした演技で脇を固める是枝裕和監督の演出が光る。

「誰も知らない」もそうだったが、あの作品と違うのは、映画全体を覆う雰囲気と子どもたちのエネルギーが向かう方向性が負に向かっていたのに対して、この作品はプラスの方向に向いていることだろう。

主演であるまえだまえだの2人は有名な小学生お笑い芸人だが、テレビで時折感じる“大人のような子ども”の感じはまったくなく、兄は繊細な表現を、弟は無邪気で子どもらしい“演技”を見せる。

是枝監督に直接お話を伺ったが、監督ご自身が父親になった、ということが「誰も知らない」のころとはまた違う、子どもたちに寄り添う映画に繋がった、ということだった。

この映画で子どもたちは冒険をする。どこか危なげなカメラワークと、繊細な子どもたちの様を捉えていることもあって、その行方と、タイトルでもある「奇跡」がどのように起こるのか、我々はハラハラしながら見つめている。

これは是非、劇場で観てほしいが、ゴールにある「奇跡」に、僕は号泣した。何気ない日常をきちんと描いた「映画」はやっぱりいい。子どもたちを温かく見守る大人たちの姿は、映画を観ている僕自身なのだ、と思わせてくれる心地よさが、この映画にはある。

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