電人ザボーガー  新作レビュー

★★★★★

70年代は特撮ヒーローが最も花盛りだった時代だろう。

「ウルトラマン」に始まる円谷プロダクション系、「仮面ライダー」に始まる東映+石森(当時はまだ石ノ森ではない)章太郎原作系の王道の流れとは別に、うしおそうじ率いるピープロダクションや「アイアンキング」「シルバー仮面」などの宣弘社など、マイナーながら独自路線を突っ走る特撮ヒーローが多数存在した。

中でもピー・プロダクションは「怪傑ライオン丸」や「宇宙猿人ゴリ」(のちの「スペクトルマン」)など、異彩を放っていた。

ヒーローや怪獣のデザインはもちろん、サイケデリックで独特な色遣いのマットアートなど、円谷プロ系や東映系にはない独特な感性があり、社会性を取り入れた物語性もあって、王道も好きだけどアウトサイダーも大好きな小学生の僕は完全に魅了されていた。

うしおそうじ氏は円谷英二監督の弟子に当たり、円谷特撮の流れを汲むが、低予算ながら独自の感性を取り入れた特撮物を産み出していた。うしお氏とピー・プロは劇場用映画も松竹の大傑作ホラー「吸血鬼ゴケミドロ」の企画と特撮も担当している。

ちなみに、毒々しい赤い空の下で旅客機が飛ぶ「ゴケミドロ」でのシーンは、この作品に大きな衝撃を受けたとされるクエンティン・タランティーノが「キル・ビルVol1」でそのまんま取り入れてオマージュを捧げている。

そんな、ハリウッドにまで影響を与えたピー・プロの傑作特撮ヒーローのひとつが、「電人ザボーガー」だった。バイクがロボットに変形するなんざ、トランスフォーマーの先駆けだろう。

「ザボーガー」の放映時、僕は小学校4年生。ザボーガーはなかなかの荒唐無稽でぶっ飛んだお話だったのだが、僕はそこが気に入ってはいたが、ちとリアルに欠けていたので、自分でオリジナルストーリーの「ザボーガー」の漫画を描いていた。そういう意味ではこの作品への思い入れは強く、変なリメイクなら許さんぞ、という想いでこの映画を観た。

井口昇監督は、なかなかツボを心得ている。70年代の特撮物のチープな雰囲気を残しながら、最新のCGを使って見せるところは見せ、全体の物語も、親子の愛情や中年の悲哀など、しっかり感じさせてくれるドラマを作り込んでいて感動した。

こんな感じで仮面ライダーも作ればいいのに、と思いながら、まああちらは大メジャーでチープ感は出せないだろうが。僕的にはこのノリで「スペクトルマン」もリメイクしてほしい。あと、宣弘社製の「アイアンキング」なんか、いいけどなあ…。

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