すばらしき特撮!  トクサツ魂!!

このブログを熱心に読んで頂いている方はご存知だろうが、僕は映画オタクではあるが、生粋の特撮オタクである。今でも日本特撮の動向には並々ならぬ興味があり、映画だけでなく、テレビの方も現役の番組は欠かさずチェックしている。

4年前には自分で実行委員会を立ち上げ、地元映画館を借り切って「周南怪獣映画祭」を開いたこともあるし、「ゴジラファイナルウォーズ」公開時は、ゴジラ・スーツ・アクターで私が住む山口県下松市御出身の喜多川務氏を招いてのトークショーを企画したこともある。

ちなみに4年前の「怪獣映画祭」のプログラムは、かのガイナックス製作!幻のDAICONFILM作品にして樋口真嗣特技監督の「八岐之大蛇の逆襲」、当時バリバリの新作「ゴジラ×メカゴジラ」、マニア狂気の「大巨獣ガッパ」、「海底軍艦」、そして「東宝特撮映画予告編集」という、ものすごいプログラムだった。

このブログは一般映画中心で、あまり特撮については論じてないが、そろそろ眠れる特撮魂も全開していきたい!過去作はもちろんだが、できるだけ皆さんの目に触れやすい現代作品を中心にレビューしていきたい、と思う。

今、日本のテレビでの現役特撮物と言えば「獣拳戦隊ゲキレンジャー」「仮面ライダー電王」、そして春に放送が終わってしまったが「ウルトラマンメビウス」ということになろう。特筆すべきは、この3作品、全て30年以上続いているシリーズ物ということだ。

逆に言えばそれしかないのかよ、ということにもなるが、それほど戦隊シリーズ、仮面ライダーシリーズ、ウルトラマンシリーズとも、もともとのキャラクターが魅力的である、ということが言えるだろう。

面白いのは三つのシリーズとも、時代やビジュアルの変化とともにキャラクターや物語性も大きく変化していること。毎年開かれている日本SF大会において、参加者が選ぶ賞に星雲賞というのがある。この星雲賞、その年の優れたSF作品を表彰するもので、小説がメインではあるが、メディア部門というものあって、映画やテレビ作品も対象になっている。

「SF」というか、いわゆるファンタジー的な物語を好き、という次元では国内最高峰、筋金入りとも言える日本SF大会参加者が投票で選ぶ、という点でこの賞、かなり信用できるのだが、実はこの賞に、この3つのシリーズからそれぞれ唯一選ばれている作品がある。

その作品とは、意外にも「特捜戦隊デカレンジャー」「仮面ライダークウガ」「ウルトラマンティガ」である。メディア部門が設けられて久しいが、歴史があるこの3シリーズから特にこの3作品が選ばれている点が実に興味深い。まあ大昔なら高いSFマインドを誇った「ウルトラセブン」なのかもしれないが、近作においてこの3つが選ばれたことに意義がある。

確かにこの3作品は、それまでの同シリーズを大きく変えた、エポックメイキング的作品であり、SF性だけでなく、ドラマとしても非常に優れたものだった。「デカレンジャー」は、それまでの戦隊物において不思議に避けてきた警察物に挑戦した意欲作で(ゴレンジャーは「イーグル」という国際防衛組織ではあったが)、それまでの戦隊物は何故か町が破壊されても警察も軍隊も出動せず、不思議と民間人の戦隊が出て行って敵をやっつけていた(「デカレンジャー」以後は、今でもそうだが)。

「デカレンジャー」の魅力は、刑事ドラマの典型的なパターンを戦隊物にあてはめた点で、犯罪者や犯罪のプロセスに焦点を当てることで刑事たちの個性の書き分けやドラマとしての面白さが際立ち、現在の「ゲキレンジャー」を含めても、ここ10年の最高傑作だと思う。

「クウガ」は久しぶりのシリーズ復活作で、今や日本映画界若手俳優陣の至宝になったオダギリジョーのデビュー作なのだが、この「クウガ」は「仮面ライダー」という名前は劇中に一切登場せず、もし怪人が現代に現れたら、という「リアルさ」にこだわり抜いた画期的な作品だった。

画期的、と言えば「ティガ」もそう。ウルトラマンは遠い宇宙からやってきた、という従来の設定を破棄し、ウルトラマンは人間がもともと持つ潜在能力としての姿、という設定にしたことで、人間が本来持つ悪と善にという二面性を描き切り、最終回は世界中の子どもたちが「ウルトラマン」に変身する、というある意味宗教的なテーマをも含んだ作品だった。

ティガで表現した「ウルトラマンと人間の関係性」というテーマは、このあとの諸作品を経て、劇場版「ULTRAMAN」、「ウルトラマンネクサス」、そして最新作の「ウルトラマンメビウス」は、このテーマの完結編とも言え、ティガから描いてきた新しいテーマに、昭和のウルトラマンシリーズのドラマを融合させた、見事な作品だった。

そうそう、ウルトラマンメビウスについては、この作品に出てきた「ウルトラマン80」が06〜07年の日本オタク大賞を受賞したことも特記しておきたい。

今、日本の特撮界を支えるクリエイターたちのレベルはすこぶる高い。その多くは平成「ガメラ」シリーズが大きく影響しているのだが、そのクリエイターたちが劇場映画をどんどん手がけるようになって、日本人にしか作れない、ハリウッドを凌駕するSF映画やドラマをたくさん作ってほしい。

ちなみに、以前僕がマイベストで紹介した日本のSF映画ベストテンは次の通りだ。これが「特撮映画ベストテン」だとちょっと順位も変わってくるのだが・・・。

@「ゴジラ」(1954)
A「ブルークリスマス」
B「宇宙からのメッセージ」
C「星空のむこうの国」
D「時をかける少女」
E「ガメラ2〜レギオン襲来」
F「吸血鬼ゴケミドロ」
G「妖星ゴラス」
H「ゼイラム」
I「ガンヘッド」

ということで前触れが長くなったが、今度はぜひ「メビウス」辺りから今の日本特撮の心意気の高さを評していきたい。
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