2010/9/9

夜を過ごすということ  nature
朝から隠れたままの旭岳。
結構なスピードで雲が流れる。
吹きさらしの登山道では15〜25mの風が吹いている。
ただ歩くなら口笛も出る。
しかし半日以上この場でいるには、この風と気温は嫌だ。
真冬の‐25℃より、体が寒さに慣れない今が一番厳しく感じる。

隠れ場所のない山頂での撮影を諦めて標高を下げ、撮影を旭岳を対象と決める。
大きな岩陰に機材を降ろし、ガスの中で記憶の中から構図を決める。
三脚には沢山の石を重りを乗せる。
カメラのセッティングが済むと、身支度のセッティング。
インサレーションを着込み、ぬくぬくの汗をかく一歩前。
今日は新月で温かさもない夜だ。
この後の放射冷却は容赦なく体温を奪うだろう。

日が暮れ、さらに風が強まるとようやく旭岳は姿を見せてくれた。
大きくたなびく噴煙・・・
火星を思わせる荒涼とした山容。
ごくわずかな残照を頼りにシャッターを開け続けると、そこには無限の生命が宿っていた。

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【旭岳も北天の星々もいつもとおり過ごしている】

人々の灯かり
吹き続ける噴煙
どんな生命体が存在するかもしれない星々

ここにいる自分はなんて小さいのだろう。
ただシャッターを押したいがためだけに、何時間も強風に体温を奪われ続けている。
運悪く、今日はレリーズタイマーが壊れた。全てを自分で行うしかない。
睡魔も襲ってくる頃が限界でシュラフカバーにもぐりこみ、地べたに寝そべる。

シュラフカバーの隙間から輝くものをチラチラ見ながら、
「少し動いたなぁ」 「あ、流れ星だ」 と、
時折シャッターの世話をしながら明け方までたわいもない時間が続く。

とてもとてもシンプルで、そこの自然をあるがままに見るだけの時間。
それこそが素晴らしいひと時なのだ。

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【地獄谷の噴煙を見下ろし、向こうには美瑛から旭川までの灯かりが輝く】
町のみんなは自分の頭上に沢山の星座が踊っているのを感じているだろうか?
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