2014/2/20

優しい光  photo
確実に呼ばれていた。

そこに行かねばならないと寝る寸前に感じ、天気予報を見る。
タイミングは微妙だが、きっと呼ばれたからにはその瞬間に晴れる。

夜明け前に車を走らせ、もう空が明るくなろうとする前なのに雪は勢いよく降っている。
ヘッドランプに照らされた膝上までの羽毛を掻き分けていると、ピタリと雪が止んだ。
朧に月が見える。

鳥が鳴きはじめ、空はかすかなオレンジを帯び、柔らかい光に包まれる中でシャッターを切っていた。


ここ2日ほど、ふと買ってみた音楽を繰り返し聴いている。
繰り返し聞かざるを得ないほど涙があふれる優しい詩だった。
彼女が語るように歌う曲の中の「あなた」は途方もなく広くて優しく、強い。

こんな人間になれるには程遠いなぁと思いながらも、たとえ1mmでも近づく努力は必要だと思った。

沢山のシャッターを切り終えてしばらくの間、大きな木を見あげてしばらくの間いくつかのことを考えていた。


昔読んだ星野道夫の文庫本に、確か友人のドン・ロスだったろうか?
不時着してしまったセスナの横で交わした会話をふと思い出した。
ドン「いい風景に出合った時、誰かに伝えるにはどうする?」
道夫「写真を撮って見せてその時の感動を色々伝えると思う」
ドン「そうじゃないのさ、この風景に出合って君自身が変わることさ」
確かそんな内容だった。

今日撮った写真は決していい作品の仕上がりになるかどうか解らない。
けど、呼ばれて撮った大切な一枚だ。
決して撮ったことがすべてでは無い。
ここに来て、自然の中で考えろということだったのだろう。
大きな木は腕をいっぱいに広げて、優しい光に包まれていた。

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足元に目をやるころ、ひとつの答えが感じられ、大きな木に感謝の言葉を告げていた。
すべての星が幸せに輝けますようにと。

           渡辺美里 「始まりの詩、あなたへ」 を聞いて。
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