
VICTOR SX-3 (1972年発売)

PENTAX 67
PENTAXがHOYAから離れ、VICTORに買収されるとの
ニュースがとびこんできた。その真偽はわからないが、
個人的にはHOYAに留まるより、PENTAXは製品開発を
しやすいだろうと思う。
なぜならVICTORは昔からひとつの製品をじっくり
作りこむメーカーであり効率よりも製品に盛り込まれた
技術や質感を重視する社風があるからである。
上のスピーカーSX-3シリーズは1972年発売であるが、
その音質は当初から音楽を楽しく鳴らすことに関しては
他メーカーの追随を許さない名器であった。
他のメーカーが音楽に対して、時代ごとに様々な解釈を
行い、刺激的なスピーカーを発売しては消えていく中、
ユニット構成、デザインコンセプト、音質傾向を変えずに
36年間、2008年のSX-500DEまでマイナーチェンジを
繰り返しながらシリーズ化し製造し続けてきたのだ。
良いと思ったらとことん追求し作りこんでいく、まさに
職人の気質をもつVICTORは、中判銀塩カメラ、
PENTAX 67, 645を改良しながら作り続けたPENTAXの気質
と類似する。
残る問題は、今後、両メーカーが今の時代のニーズに
合わせた売れる(利益を生む)ものづくりで経営を安定
させることと、良いものを作り続ける職人気質の両立
をいかにうまく進められるかだと思うが、もし合併したら、
両社の長所が融合された画期的なAV製品、カメラ製品が
出現することに期待したい。

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