長い間のご無沙汰であった。半年ぶりにアップする。
今回は「〜する」に当たるアスペクトを取り上げる。ここでは便宜上「一般・条件相」と呼んでおく。
一般・条件相は敬語体「ㅂ네다/읍네다」、普通体「ㄴ다/는다/나」という形で表す。
標準語「ㅂ니다/습니다」、「ㄴ다/는다」と形はほぼ同じである。
まずは敬語体から取り上げる。
-語幹が母音・ㄹ終わりの場合は「ㅂ네다」を付ける
例 가다:가→갑네다(갑니다) 살다:살→사→삽네다(삽니다) ㅎ・다:ㅎ・→ㅎ・ㅂ네다(합니다)
-語幹がㄹ以外の子音終わりの場合は「읍네다」を付ける。
例 먹다:먹→먹읍네다(먹습니다) ㄱ・ㄷ다(말하다) :ㄱ・ㄷ→ㄱ・ㄹ읍네다(말합니다)
웃다:웃→웃읍네다→웃입네다(웃습니다) *[스]音は[시]音に変化する
-疑問形は「ㅂ네까/읍네까」である。付け方は上と同じである
例 오다→옵네까 놀다→놉네까 듣다→들읍네까 익다(読む)→익읍네까(読みますか)
つぎに普通体である。
-語幹が母音・ㄹ終わりの場合は「ㄴ다」を付ける
例 가다:가→간다(간다) 살다:살→사→산다(산다) ㅎ・다:ㅎ・→ㅎ・ㄴ다(한다)
-語幹がㄹ以外の子音終わりの場合は「는다/나」を付ける。意味は同じである。
例 먹다:먹→먹는다/먹나(먹는다) ㄱ・ㄷ다(말하다) :ㄱ・ㄷ→ㄱ・는다/ㄱ・ㄷ나(말한다)
웃다:웃→웃는다/웃나(웃는다)
*標準語の疑問形語尾「나」と間違わないよう注意されたい。
-疑問形は2種類ある。疑問詞を使わない疑問文(判断疑問)では「느냐」を使う。一方、疑問詞のある疑問文では「느니」を使う。語幹最後の音が何であれ、語幹に付ければよい
例 오다→오느냐/오느니 놀다→노느냐/노느니 듣다→듣느냐/듣느니 익다→익느냐/익느니(読むか)
例 疑問詞なし:가이 오늘 집이 오느냐? 標準語:그 아이 오늘 집에 오느냐?
疑問詞あり:누게가 오늘 집이 오느니? 標準語:누가 오늘 집에 오느냐?
*疑問詞の有無によって疑問形の語尾が異なるのは、中世朝鮮語や慶尚道方言と同じである。
例 中世語 疑問詞なし:아비 이어긔 ㅈ・조 오ㄴ・니아 現代語:아버지가 여기에 자주 오느냐
疑問詞あり:뉘 이어긔 ㅈ・조 오ㄴ・니오 現代語:누가 여기에 자주 오느냐
慶尚方言 疑問詞なし:가아 짐치 마이 묵나 標準語:그 아이 김치 많이 먹나
疑問詞あり:와 짐치 마이 묵노 標準語:왜 김치 많이 먹나
*済州方言・慶尚方言ともに敬語体ではこの区別はない。そこが中世語との違いである。
下例はいずれも「何を食べますか?/野菜食べますか?」の意。文末に注目されたい
例 済州方言 무시걸 ㅎ・ㅂ네까? / ㄴ・ㅁ・ㄹ 먹읍네까?
慶尚方言 뭐 합니꺼? / 나물 묵읍니꺼?
中世語 므스글 ㅎ・ㄴ・니잇고? /ㄴ・ㅁ・ㄹ 먹ㄴ・니잇가?
済州方言の「一般・条件相」は標準語の「합니다/한다」とほぼ同じだが、用法にかなりの違いがある。
次回は、「進行相」と「一般・条件相」の用法の違いについて、標準語との比較も交えながらお話しする予定である。

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