ふとしたことからホームレス体験をするはめになった顛末を本にした松井計著「ホームレス作家」の続編「ホームレス失格」を読む。
「ホームレス作家」で書き切れなかったことを書いたのかなと思ったらそうではなかった。ホームレス生活から足を洗うことができ、また家族と一緒に暮らせるようになったのに、精神に病を持っている奥さんとのちょっとしたケンカからまたしても家族がバラバラになってしまう。身重の奥さんは幼い娘を連れて警察に駆け込み、警察は品川区役所の福祉課に連れてゆく。居場所を突き止めた筆者は品川区役所に行くが、品川区側の態度は何故か頑なで、保護した奥さんと子供を引き渡してくれない。あげくのはては筆者を、DV、幼児虐待と決めつける。どうやら奥さんのネガティブな思い込みの話を、品川区側が拡大解釈したようであった。その後、色々な人に間に入ってもらい、筆者のDV、幼児虐待の疑いは晴れる。間違いを渋々認めた品川区側であったが、今度は強引な責任逃れの工作を始める。
品川区側のやり方には「なんなんだ!」と、憤るばかり。
筆者が、自分に都合の悪いことだけは書かないでいるとは思えない。文章を読む限りではあんまり好きになれそうにない人ではあるが、品川区側のやり方を見ると筆者に肩入れしたくもなる。
この人の本はこれで最後にしようと思っていたが、この続きである「家族挽回」も少し気になってきた。
古本屋で安いのを見つけたら読んでみようと思う今日この頃。