朝、出勤の為にアパートを出て5分ほど歩いたところで、「あれ? ヤカンの火、止めたっけ?」と思ってしまった。引き返して確認しても遅刻にはならない。でも、面倒。でも、気になる。でも、面倒。でも・・。
結局、面倒が勝ってそのまま出勤。
「まあ、火が出れば火災報知機が鳴るから大家さんか消防がなんとかするだろう。そうなったら2時間以内に自分の携帯に連絡が来るだろうから、来なかったら大丈夫だったということで」
そして、2時間以内に連絡は来なかった。
「火の勢いが早くてあっという間にアパートが全焼ということもありうる。そうなったら連絡は遅れると思うから午前中に来なかったら大丈夫ということで」
などと決めつける。結局、午後5時の定時になっても連絡はなかった。
「大丈夫大丈夫、以前、野菜スープを作ろうとして鍋に火を掛けてうっかり忘れ、水分が蒸発して野菜が炭化して鍋から上がった煙が、自分がいた隣の部屋に漂ってくるまで気が付かなかったことはあったけど、火を掛けたまま出かけたことはない。きっと大丈夫」
と、思いながら帰宅。
アパートに入ると、ヤカンはレンジの上で静かに自分を待っていた今日この頃。