休み。
午後1時から東京は谷中の谷中銀座で行われている落語会「谷中はなし処」を見る為に10時半過ぎに出かける。
電車を乗り継ぎ、12時前に千駄木駅に着く。
そこから谷中銀座に向かい、やなか珈琲などで時間を潰し、12時半過ぎに会場であるパン屋の2階に上がる。
受付を済ませ、中に入ると、30席ほどある席の20席ほどは予約席となっていた。毎月、曜日に関係なく25日から28日の昼に行われているこの会の日曜に来たのは初めてなのだが、週末はいつもこんな感じなのだろうか。それともたまたまか。出演者の誰かの人気が急上昇しているのか。
席に座り開演を待つ。次々に人が入って来て追加席も出るほどの満員の中、開演時間の1時の10分前に前座が上がった。
開口一番は三遊亭まん坊。
萬橘師匠の弟子。
噺は「強情灸」。
少しつっかえていたけど何とか。
そして林家たけ平。
まん坊も声が大きくて良いと思っていたけれどそれよりも大きい。
住んでいる北千住ネタから時世の歌の代書屋の噺に入る。
初めて聞く噺。林家の人がよくやる噺なのかなと思いながら聞いていたがなかなか面白かった。
続いて、萬橘、たけ平、立川志の春の三人によるユニット、オーパーツによるコント。
ラジオ番組の設定で、萬橘がスタッフ、志の春が外国人DJ、たけ平が本人役。
萬橘、志の春がボケで、たけ平が突っ込みという設定は変わらないよう。台本通りにやらない志の春に右往左往させられるたけ平がたまらなく面白い。
そして志の春。
オバマ大統領も出たエール大学出身で、そこから三井物産に入ったのに、その超エリート路線を捨てて志の輔の弟子になってしまったとんでもない人。
聞いたことのない新作。お爺さんと孫の前半の楽しいやり取りだけで終始するのかなと思ったら後半で人情噺な感じにもなり不意打ちの感動を食らった。
仲入り休憩後は萬橘。
お姉さんとの姉弟エピソードのまくらから「らくだ」に入って驚いた。こんな大ネタをやるとは。
今まで聞いてきた「らくだ」と細部が違うが、それは萬橘師匠が手を入れたものなのか、教わった人の通りにやっているのかは分からない。ただ、「丁目の半次」を「チョウザメのパンジー」にしているところは萬橘オリジナルだと思う。
後半、酒を飲んで段々と酒癖が悪くなってゆく屑屋にグイグイと引き込まれる。威張っていたヤクザ者の丁目の半次が、酔っぱらった屑屋にやり込められるくだりに説得力を持たせるにはかなりの力量が必要だと思うのだが、何の違和感もなく納得させられた。
サゲは、マグロのブツのところで切らなかったので、火屋までやるのかと思ったら知らないサゲで見事に終了。このサゲはオリジナルか。それとも・・・。
とにかく良いものを見た。充実した時間だった。
帰りに今日の演目が貼り出されていたのだが、たけ平師匠の演目は古典だと思っていたら、「らすとそんぐ」と書かれていたので新作だと判明。志の春さんの新作のタイトルは「おくりもの」だった。
http://yanakahanashidokoro.wixsite.com/yanaka