4日の夜は、東京は新宿の映画館K's cinemaで、ミュージシャン友川カズキのドキュメント映画「どこへ出しても恥かしい人」を見た。
友川さんの、歌、酒、絵、そして競輪、またも競輪、されど競輪の日々を追ったドキュメント。
川崎のアパートで自炊をし、競輪を見ながら一喜一憂し、鉛筆を削って原稿用紙にコラムを書き、それをファックスで送る。
友川さんは「ほどほど」を知らない。のめり込んだら命がけ。パチスロにのめり込んだり、競輪にのめり込んだり、震災後は反原発にのめり込んだり。今はやっぱり競輪が一番なのだろうと思う。肝心の歌はどうなのかというと、多分、歌は当り前のようにそこにあるものだからのめり込むとはまた違ったものなのではないか。
「ほどほど」を知らないがゆえに真っ当な生活は送れない。家族と離れて暮らす友川さんには息子が4人いて、この作品には長男、次男、四男が出て来る。四男とはこの撮影が切っ掛けで久々に会ったようだ。
四男はバスケットボールをしていてまだ学生。
次男は父親と同じくらい競輪に詳しくそれなりにやっているよう。「あの父親を見ていてなんで真っ当に生きようと思わないのだ」と少し言いたくなったりもした。
長男とも飲みの席で競輪の話しになり、予想はするが車券は買っていないという。すると、「100円でもいいから買わないと。痛い目を見ないと」と諭す友川さんの言葉は、父親としてはどうかなとも思うが、身銭を切らなきゃ見えないつかめないことがあるという心理を教えてくれる。
秋田出身で川崎在住のアウトローは、今日も粛々と歌い、飲み、自炊をし、そして競輪をやっている。
こんな映画を見てしまったら飲まないわけにはいかなということで帰って缶チューハイを飲む。
こんな映画を見てしまったら健康のことを考えてうんぬんなんて馬鹿らしいと思い、その後に禁断の真夜中カップメンを食べてしまったのだった。
それで友川カズキになれるわけでもないのに。
自分の歌に「今の俺はどこに出しても恥ずかしい役立たず」というフレーズがあるが、久々に歌ってみようかなと思った。
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