休み。
東京の谷中にある谷中銀座のパン屋の上で行われる「谷中はなし処」という落語会を見に行く。
三遊亭萬橘、林家たけ平、立川志の春の三人で立ち上げた会で、曜日に関係なく毎月25日から28日の昼の1時から4日間連続で行われている。三人が一席ずつやり、それに加えて三人によるコントも含めて1時間半ほどで終わるコンパクトな落語会。会場もコンパクトで席は30席ほど。
去年初めて見に行き、良い感じな会だと思ったのでまた見に来よう来ようと思っていたら意外とタイミングが合わず年を跨いで今日になってしまった。
地下鉄を使って千駄木駅で降りるのが一番安いルートだが、今日は天気も良いので京成船橋から日暮里というルートで外の景色を見ながら向かった。自分の街から乗り換えなしで落語をやる街に向かうと、何だか日常と落語が繋がっているような気になる。
11時半過ぎに日暮里について谷中銀座をぶらぶら。平日でも外国人観光客が多い。去年、ここで見つけたやなか珈琲でアイスコーヒーを飲み、肉のサトーでメンチカツを買って食べる。生ビール販売をしている酒屋でビールを買い、そこの椅子でゆっくり食べたかったが、これから落語を見るのでトイレが近くなるようなことはグツと我慢。
それでも時間があったのであたりをぶらぶら。日本一まずいラーメン屋として有名になったラーメン彦龍の名物親父は去年亡くなり、店はいつのまにかステーキ屋になっていた。
12時40分頃に落語会が行われるパン屋の2階に行く。そしたら壁にたけ平休演を知らせる貼り紙。真打披露興行などで忙しいようで、代わりに今月は志の春が二席やるよう。個人的にはこの方が嬉しいのだが、後から来たたけ平ファンらしき数人の年配女性客はたけ平が休演と分かると帰ってしまった。ここまで来たのだから見て行けばいいじゃないかとも思うが、もし、萬橘、志の春が諸事情で休演になり、たけ平独演会となっていたら自分も帰ったと思う。
開演を待つが自分も含めて客が3人からなかなか増えない。もしやこのまま開演かと少し怖くなる。客が少ないというのはやる方もそうだが見る方も辛い。音楽のライブの場合は、やる方としても見に行く方としてもこういうことはよくあったりするので慣れてはいるが(慣れてどうする)、もう少し来てくれないかなと思っていたら何とか8人ほどになった。そして何故か全員が壁際に座るので真ん中がほっかり空くという形になった。こういうのが日本人特有の照れというやつかなと思ったりする。
1時に開演。
まずは志の春。
たけ平休演で帰った客について少し語ってから「狸の札」。
大柄な人だけど、この人の演じる子供(この場合は狸の子供)はかわいらしい。
続いて萬橘。
まくらで知ったかぶりエピソードを話してから「手紙無筆」。
字が読めないのに読めるふりをする兄貴のとぼけっぷりが楽しい。
休憩が入り、休憩後はオーパーツ。
この会の出演者3人で組んでいるユニット名。いつもはコントなどをやっているようだが、今月は2人だけということで、二人で登場人物を分けて「つる」を披露。
事前に綿密な打ち合わせをしたのかそれとも出たとこ勝負でやっているのかは分からないがなかなかにおもしろかった。
そして一旦2人共引っ込んで再度志の春がトリとして出て来る。
まくらは振らずに「寝床」に入る。
集客に四苦八苦する噺でもあるのだが、今日の入りに対してこの噺を選んだのだろうか。
これもおもしろかった。この人はもう真打でも良いのでは。
帰りは千駄木駅から地下鉄で帰る。
電車代やら飲食代やらチケット代やらで合計3000円も行かなかったが、なかなかに贅沢をした気分になれた。
今日は上等な休日を過ごせた。
