当時、僕が住んでいた場所は、別府市南町…
今で言うところの別府八湯秘湯めぐりの一つである、紙屋温泉の真横にある
トタン造りの2階建ての2階部分に住んでいた。
そのころは今のように、区画整理が進んでなく、縦横無尽に裏路地が存在した。
僕は、いわゆる路地裏の少年であった。
誰が言っていたのかは記憶に定かではないが、その路地裏で
「エイトマン」を見たという噂が立った。
「エイトマン」とは、当時の白黒テレビで流行っていた漫画の主人公で、
背広姿のサラリーマンが変身をし、「エイトマン」となり、
悪に立ち向かうというスーパーヒーローである。
最大の能力は、弾よりも早く走り、その弾でさえ撥ね返す
鋼鉄の胸を持っていることである。
紙屋温泉前の大通りを抜ける50メートルほどの裏路地を、その「エイトマン」が走り抜けていく姿を見たと言う話である。
しかもその足には、下駄のようなものを履いていたという噂が、
近所の路地裏少年達の間でまことしやかに囁かれていたのである。
果たしてその正体は…?
それは…
「おばちゃ〜ん、おばちゃ〜ん、しろーちゃんが車に轢かれたよ〜!!」
「なにえぇ!?」っと表通りにある内田病院まで、一心不乱に
弾よりも早く走り抜けて行った、
うちのお袋の姿であったことは言うまでもない… つづく…
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