この旅が珍道中になることは、誰もが想像できたことだった。が、
しかし、それは遥かに予想を超えたものだったともいえようか。まずは、
奇妙な携帯のならしあいから始まったのだから・・・。
水害の直後で松江の道路は渋滞が予想された。出雲空港までの道を
よく知らないというかっちゃんの判断で、少し早いけれど7時過ぎに
家を出た。途中、2キロの渋滞にひっかかりはしたものの8時過ぎには
着いた。モーニングも終わった頃、携帯がなった。セナちゃんからの
所在確認だと思うが、なぜかワン切れ。「あれっ? あれっ?」と
言い合ってる様子が伝わっておかしかった。お見送りのだんな様も
優しそうで、初対面とは思えなかった。後で聞いたのだが、このブログの
ファンらしい。「フムフム。やはりいい人だぁ!」
飛行機は、30分遅れはしたものの快適だった。職員も親切だし・・・。これなら全盲の一人旅もOKかな?
この旅のキーワードは「襟」と「公費」だったでしょう。三日間を通して、この言葉がどれだけの笑いを呼んだでしょう! それにしても、
セナちゃんがカーリーを動かすときの「ホイ」はかわいくて、耳障りが
よかったぁ。そして何より、歩かせ上手。「ここに、しけたコンビニが
有るけど、もう少し歩くとローソンが有るよ。どうする?」しけたコンビニと言われりゃ「歩くしかない」ですよねぇ、絶対に!!普段歩くことの
少ないカーリーにとって、1年分の距離を歩いたような気分。
どこかで眠ってる万歩計を思い出す。特にタクシー代をケチったわけで
もなく、何となく町並みを感じていたい。そんな旅だった。青森の風が、
そうさせたのかもな。
保護者の違う旅だから準備万端のつもりだった。が、あのキーワードが生まれる始末。飛行機の中で耳にした光景がまた思い出される。
偶然、出雲から羽田間の往復を乗り合わせたおばあちゃんと、小学4・5年生の男の子がいた。先に降りかけていた彼は後戻り。「おばあちゃん、早く。もう世話がやけるなぁ。」思わずプッと噴き出したけれど、
我が身を反省。帰りもあのおばあちゃん、乗り際に何か言われてたっけ。

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