いやぁ・笑っちゃいましたぁ。仕事をしながら 失礼をも省みず大笑い!!
久しぶりにやってきたその人は 同年代の男性。
風邪の頼りに 奥さんが心筋梗塞で 倒れられたことを聞いていたので お見舞いをいって始まった。
「これ わしが 初めてつんで 初めて貼った海苔やけぇ 穴だらけやけど・どうぞ。」と 新聞紙に包まれた 海苔をくれた。
感動だった。丁寧にお礼を言って 海苔つみのあれこれ。貼るときの苦労などなど 話題はつきない。
が・あまりにも知らないことが多すぎるなぁと感じていた。
「代(しろ)」という 海辺の小さな村に住んでいるのに・・・。
失業と 奥さんの病が重なって 生活が一変した苦労話には 頭をひねってしまう。
この年になるまで ご飯も炊いたことないらしい。
電子レンジも 洗濯機も初めて ウーム??!
不思議なことに 魚のさばきかたも知らないという。
「海で おばさんに アナガラをもらったんやけどなぁ どうして食う手いいやらわからんから聞いたら 汁にして食え言ったんや・・・」
彼は 中学を出てから30年近く 大阪で働いていたので 言葉もミックスで なかなか面白い。
したがって 忠実に書けないのが残念!
「ラーメン作る鍋でしたら いっぱいになってなぁ 豆腐が・入らんようになってしまって 仕方ないから 蓋で押さえつけて 醤油かけて 食うたんや・・・」
「なんで 大きな鍋に 変えん買ったのよぉ!」と 大笑い。
「そやなぁ 鍋を変えたらよかったんかぁ 気がつかんかったなぁ・・・!」
ほんとは 涙ぐましい話だと言うべきかも知れないが あきれて 笑うしかない。
ウロコが取れなかった。皮の剥ぎ方がわからなかった。内臓が取れなかった。そんな失敗談は もしかしたら「大げさかな」とも チラと思わなくも無かったが 次の話で すべて真実だと 納得だった。
「姉のところでウニご飯を食うたら うまかったんや そいでな 海に行ったら バフンウニが いっぱいおって。ご飯炊く気になってな。
ちょうど 魚釣りのときに使うバケツを拾って それにいっぱい取った。 30分でいっぱいになった。それを持って帰ってな」
「えっ? そんなもん 持ってかえって 清蔵したの?」
「うん 海は・さむいやろ? とげが立って痛いし ゆでてから 半分に割って スプーンで 実を取り出して・・・」
そこまで聞いて耐え切れず 笑い出した。「ウニをゆでる人なんか いないよぉ」
「でもな 実を取り出すのに2時間もかかったんやで。で・ちゃわんに いっぱいになったかなぁ?米は2号だから まぁまぁ うまいはずやろ?」
「うん そりゃぁ・まあねぇ」
「子供が帰ってきて 『おとうさん ウニご飯炊いたの?』ゆうて 喜んで食べはじめたんや。
ところが『おとうさん こりゃぁ・食われんわぁ ジャリジャリしてぇ!』アハハハハ! 苦労して2時間やで!!」
「あんた 子供の頃に 泳ぎながら・ウニも取って 食べたでしょうがねぇ・・・!」
「うんー。 ま・よめはんのありがたみが よぉわかったわ!」
「だけどねぇ 嫁さんは都会の人。あんたは 島の人間。しかも代(しろ)だよ。ウニのことくらい わかりなさいよぉ!」
患者とこんなに爆笑したことが 今までに有っただろうか??
もしかしたら 彼は久しぶりに笑ったのかも知れない。
「あぁ・すっきりしたぁ」と 帰っていった。
それにしても 類は類を呼ぶというが カーリーの周りには 面白い人物が集まるものだと・・・。

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