隠岐の家では、ネットがまだ開通してないので、パソコンからの投稿は久しぶりになる。それも、どうしてもやらなければならない約束事が有って、久しぶりに頑張ったのでした。後輩から、視覚障害者向けの、それも全盲の立場で、隠岐の観光情報を書いて欲しいと頼まれていた。今月中旬までにと言われていたのだが、腰痛に襲われたり、ネット事情のアクシデントに会ったりで。まぁ・大幅に遅らせてしまった。どこでどのように使われることになるかわからない原稿だけれど、書いてみたので、ここに置いてみよう。日の目を見なくなったら、原稿がかわいそうだもの。慣れないパソコンで、カーリーとともに頑張った原稿だもの。違う違う、頑張ったのは、カーリーで! だけど、不思議なもので出来た原稿には、愛おしさとでもいうだろうか? 自己満足以外の何者でもないようなものかな。それでも、どこかで日の目を見せてやらなくっちゃねぇ・・・!
私たち全盲が、旅をしたとき、いつまでも心に残るのは、何だろうか。目的地に降り立って感じる、その土地の空気。音。匂い。などなど。体に、直接響く・それらが、何よりの旅の実感ではないだろうか。
この観光情報は、そんな視点で、昇進証明全盲の私が、隠岐の島に住む一人として、独断と偏見で綴ってみようと思います。が、ご存知かと思いますが、隠岐の島は、島後と・島前に別れています。私が住んでいるのは、そのうちの島後の方なので、ここでは・島後に限って、書いて見ようと思います。
隠岐は絵の島、花の島。磯にゃ、波の花が咲く。里にゃ、人情の花が咲く。
これは、隠岐民謡のしげさ節! フェリーで・2時間半。この歌が聞こえたら、西郷港に入港です。
それでは、観光スポット。イベント。食。お土産をご紹介しましょう。
島を楽しむには、なんといっても・直接島の人に案内をお願いするのが一番なのですが、なかなかそうも行かないですよね。もちろん、観光バスと、遊覧船をセットにした、お決まりのコースも十分楽しめるとは思うのですが。まぁ・ここは、あえて風景とは関係無いところで・・・。
観光スポット 1 壇鏡(だんぎょう)の滝。「隠岐の島にも、こんな所が?」って、不思議な気分になることでしょう! 何かしら、神秘的な世界に引き込まれそうです。
2 蛸木(たくぎ)の波止場。 漁に出かける、漁船の音を聞きながら、たくぎの波止で釣り糸をたらして見ては、いかがでしょう! ここは魚の種類が豊富なので、糸の引き具合で釣れた魚を当てて見るのも楽しいですよ。
3 佐々木家。国指定の重要文化財です。代々庄屋職の家。静かなたたずまいは、忘れ去ったものを思い出させるようで・・・! 予約をして行けば、隠岐の食材で、昔ながらの煮しめ、貝の汁物などを味わうことができます。
イベント 1 島開きのしげさパレード。全国各地の踊好きと・島の人々が、メインストリートを踊歩きます。手には、皿を持って踊るのですが、そのカチカチという音と、三味線の音が聞こえると、なぜか島国だなぁと感じてしまうのは、やはり私も隠岐人なのかな?
2 御霊会(ごれえ) 玉若酢(たまわかす)神社のお祭りです。毎年6月5日がその日。島内の各地から・神馬が集い、数名の男たちに率いられて参道をかけ上がる勇壮な祭りです。
3 ウルトラマラソン これは、新しいイベントで、たぶん今年で5回目くらいになるだろうか。50キロコースと、100キロコースが有って。島内外の健脚の持ち主が、根性を競います。美しい景観と、炊き出しの魅力に、毎回参加の人も多いとか! 岩海苔の爆弾お握りや・隠岐蕎麦(焼き鯖の出しで、隠岐独特のもの)などが準備されています。
島ならではの食べ物 1 貝(カメの手、カラス貝、フジツボ)などの汁物。 これが絶品で。味噌汁、吸い物、どちらもおいしい。ちょっとほかでは味わえないのでは?
2 サザエご飯の海苔巻き。海苔は、天然の岩海苔にこだわって。おもてなし料理の1品です。素朴な優しさとでもいいましょうか!
3 変り種では、ベコ(海牛)の酢味噌和え。あるいは、煮しめ。これは、佐々木家の食事にも出るとか。
お土産 1 片麻岩(へんまがん)のストラップ。 約32億年前の源岩が入った日本最古の岩石です。長寿のパワーが秘められていると、言われています。隠岐の石では、黒曜石が有名なのですが。残念ながら、汽船場の売店には、無かったのでした。
2 わだつみのせい(海藻焼酎) アルコール度数が、40度と高いので、ウイスキーを思わせる焼酎です。ネーミングもすてき!!
3 お菓子では、藻塩大福かな? 藻塩ブームで、チョコレートや、キャラメルなども有るようです。
こんなところで、いかがでしょうか? 偏見ぶりが伝わったでしょうか。
最後に、もう一つ。島のいたる所に、小野のたかむらと、島娘との恋物語が記されています。これも是非、読んでもらうといいでしょう。恋多き人だったのかな・なぁんて・・・!
思い切れよと、ドラがなる。船のテープは切れても、胸の思いは切れやせぬ。(しげさ節)

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