メル友の(ブログ友?)艇がディスマストした。マストを引き上げるのはタイヘンだよな…と15年前のことを思い出した。
上の写真が何かヨット乗りは判る。が、楕円形の長径が20センチ長さ24mくらいという細さのマストが68feetのヨットを動かしていると言ったらビックリする。
上の写真は、その折れたマストのマストトップ。今から15年前のログを捜してきた。
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1990年12月2日
<摩利支天>にゲストでレースに参加させてもらった。
68feetのビックボートだ。68feetの<プリマ>も参加する。
クラブの今年最後のレース。三保と久能沖とのソーセージレースだ。コースを2周まわるレースだ。
<摩利支天>はウルマーのメンバーとオーストラリア、ニュージーランド、清水メンバー達で
私を入れて合計16人で参加した。私はポジションは無し。バラストだ。
スタート地点はSW25ノットの風。<摩利支天>はフルメインNo.5ジブ、
<プリマ>は1ポイントリーフとNo.3で10時スタート。
<摩利支天>は<プリマ>にスタートで出遅れるが、すぐ<プリマ>の風上を一気に突破。
すごいスピードだ。
<プリマ>が一瞬止まっているように見えた。三保の本燈台を通過。
クローズホールド一杯。
西へ向かう。SW30ノットの風の中、ボートスピード9or10ノットだ。
ちょっとこのスピード感覚は小さな艇では味合えない。
参加艇のグループをあっ!と云う間に後にしてしまった。
風と波とも強まる。艇はスキッパーの腕の為か安定して滑っていく。
海岸線でタックを繰り返す。タッキングアングルは普通は約70度(驚)という。
これまた凄い。タックする度に反対側へ移動するのだがかなりの距離がある。
ビーム5or6mくらいか。
波でマークが見えない。全員でマークを捜し、発見。スピン用意。
ポールセット。マーク回航。
フリーの風になるがスピンでは風向きが少しきつい。
このままのセールセットで行くことにする。
速い。はやい。ハヤイ。
カッ飛んでいく。グースネックの下にあるデジタルスピードメーターの数字が
どんどん上がって行く。
14、15、16、17、18。…18.5ノット。
すげーぇ。68feetの艇がプレーニングしていく。
船体のミッドシップから波のスクリーンが上がる。
あっという間にスタート地点に戻った。後続艇団はまだ上マークへ向かっている。
下マーク回航。沖へ向かう。風が上がってきたのが分かる。
35ノット。ブローで40ノット強。
1タックでマークにアプローチする。コースは落とされるが、スピードは落ちない。
クローズで10ノットから11ノットのボートスピードだ。
12人でハイクアウトするする。<摩利支天>のビームを計算すると海面までの高さは
約4m以上ある。時々スプレーを浴びるが目の高さが違うため波に対する恐怖感は全く無い。
スターボードタックで上マークへアプローチしている時、突然ワイルドタックした時の
ように逆ヒールした。ハイクアウトしていた我々デッキ(シアーライン)が海面についた。
「ストン」と落ちて艇が止まった。「あれっ!!」と思って振り向くとマストが無い!!!!。
80feet4スプレッダーのマストが無い。
グースネック上1mの処からポッキリと折れてしまっている。
しかし、スキッパー&専属クルーの指示でジブをグルーブから回収。
メインセールもほどなく回収。ロッドリギンをチェーンプレートから外す。
マスト内を通っているシート類を引き抜く。
そのシートへ大きなフェンダーを付けてレッコする。
16人居ても手作業ではマストを上げられないので、後日サルベージに頼むことにした。
水深40m位だと思われる。フェンダーを浮いている位置をコンパスで確認。
「山立て」した久能山の写真を何枚か撮る。
<摩利支天>はこれで3本マストを折ったようだ。
どうも、バラストとのマッチングが上手くいってないようだ…と云っていたが、
今月末から参加する予定の「グアムレース」に参加するためグアムからレース用の
マストを1本取り寄せると言っていた。
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下の写真は<摩利支天>でのハイクアウト。前から4番目が私。海面までの高さ、
マストの太さが判る。
ちなみに<プリマ>は鳥羽レースで連続28ノットで帆走ったと聞いた。
その後、<夢ひょうたん>と云うグループに引き継がれている。
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/8578/index2.htm
