何故、海へ、山へ行くようになったのか?。
「誰か知り合いが居たの?」…以前、ある人から、そんなフウに問われた。
ヨットに乗り始めたきっかけは、各人色々だと思われる。
・知り合いにヨットに乗っている人がいて、誘われた。
・親がヨットをやっていた。
・飛び込みでクルー志願をした。
・たまたまヨット教室に参加して。
…などなど、色々あると思う。
◆ ◆
小学生の時に、近所のお寺に集まっているボーイスカウトの子供たちをいつも見ていた。
そのロープを使った遊びが面白そうで、親に頼んで入隊させてもらった。
http://white.ap.teacup.com/something/151.html
その頃からボーイスカウトで山へキャンプとかハイキングに行くのが大の楽しみになった。
20泊21日、夏休みをほとんど使ったキャンプにも行ったな。
将来は探検家になりたいとも思った(笑)。
中学生になってから、もっと山が好きになって、休日になると同級生を誘って
静岡市奥の安倍川流域の山を登るようになった。
そして、山の本を読むようになって、山に親しむためには様々な方法が在ることを知った。
高校生になった時、地元の社会人山岳会に突然入会させた貰った。
「ごめんください。高校一年生ですが、入会させて下さい」
全員が社会人で学生はボク一人だった。
相変わらずロープワークが好きで、山歩きと共に岩登りもするようになった。
北鎌尾根だ。
http://white.ap.teacup.com/something/456.html
涸沢、穂高周辺に何日もテントに住み込んだ。「涸沢奇族」の仲間入りをしたかった。
大学合格と共に、その大学山岳部のOBから紹介状を書いて貰い、入学式よりも前に
山岳部の部室を訪ねた。
その場で入部が認められ、数日後に白馬岳(しろうまだけ)春山合宿へ行くことになった。
入学式前のことだった。
しかし、しかしである。
持ち物、携行品、準備の中に
「登山靴はできたらナーゲルを」(靴底も革製で各種の鋲が打ってある。トリコニ、ムガー、クリンカーなど)
「登山靴は足首廻りベロが付いているモノ」(今のベロとは違う)
「ゲートルを着用すること」(そのベロはゲートルを巻く時に必要)
「尻皮を用意すること」(知ってる人はいるかな?)
…う〜む。驚いてしまった。
いくら大学山岳部の体質が古いと言っても、そこまで古いとは(泣)。
1960年代のなかばである。今更「点の記・劔岳」ではない(笑)。
ガストン・レビュファに憧れて、近代スポーツアルピニズム(笑)を求めていた
ボクは急に入部をためらって、OBに相談した。
「じゃあ、また東京の社会人山岳会に入るか?。学校の山岳部には断っておくよ」
もたもた考えているウチに春山合宿は行かずに、入学式を迎えた。
入学式後、いろいろな部、同好会の部員勧誘コーナーがあって、その中の一つに目が止まった。
横に渡した一本の棒に、色々な結び方でロープがぶら下がっているのだ。
今のようなきれいなロープではない。黄ばんだ木綿のロープ。
そのコーナーの前に行き、ロープを手にした。
巻き結び
「この結び方、知っています。あ、これ出来きます」
「おお」
二重継ぎ
「呼び方が違うけど、これってモヤイ結びですよね」
「おお、結んでごらん」
「はい」
考えることなく即座にモヤイ結びを、右手で結ぶ場合と、左手で結ぶ場合を披露(笑)。
「う〜む。キミは入部したら偉くなれる。こんなに素晴らしいロープワークは見たことがないぞ」
「あっ、そうですか」
「いいぞ、この部に入ったら女の子にもてるぞぉ」
「あっ、そうなんですか!。いいなぁ(笑)、ワクワク」
「体験会をやるので、今度の日曜日に横須賀中央駅の駅前に来なさい」
「ところで何部ですか?」
「うん、今をときめく、女の子にもてる体育会ヨット部だよ」
(そぉかぁ〜、オレももてるかもしれないなぁ(笑))
次週の日曜日に横須賀中央駅から三崎行きのバスに、新入生10人くらいと乗った。
初声のバス停からから、海辺に在るヨット部の合宿所までスイカ畑の中を歩いていった。
これがヨット部所有のクルーザーだぞ。合板製のクルーザーを見せられた。
(5mJOG…だと記憶している。JOG=ジュニア・オフショア・グループ)。
入部したら、これに乗ることができる。
「これに乗ったら、絶対に女の子に持てるぞ!」
「う〜む(ボクも石原裕次郎のようになれるかも知れない…)」
入部した後、しばらくして先輩に問うた。
「あのクルーザーはどこに係留してあるんですか?」
「ああ、あれね。他人からの借り物だよ!」
1967or1968年頃の写真だと思う。セールNo1058のスナイプ(笑)。
中野区中野5丁目 アポロスポーツ 松永氏