スプルス
松の種類の木だけど、日本では米唐檜(べいとうひ)と呼んで、
檜の代替品として使っている輸入材。
木材のサンプル帳にあった。陽に焼けているけど(笑)。
木肌は緻密で柔らかで加工性に優れ、家具、造作材、楽器材などに最適です。
長くて真っ直ぐな木材なので、いろいろな処に使われる。
建築では和室の障子などの建具材に多く使われている。
また、柔らかいので、その性格上「まな板」にも使われる。
まな板に一番良い材料は「イチョウの木」だけど。
材木屋さんのサイトから写真を借りてきました。
ヨットでアルミマストが出現するまでは、ほとんどマストはスプルスから作った。
長尺材の確保が容易だし、乾燥した後の捻れ、ソリも少ない。
ここにコメントを書いてくださる<eWINDさん>の艇が、これだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/syounanokaze/MYBLOG/yblog.html
勝手に写真を借りてしまいました。すみません>eWINDさん
でも、こんなにも素晴らしいマストを作るためには、素性の良いスプルスを
原木の時点で見極めなくてはならない。職人の高度な眼が必要だ。
木材の木目(もくめ)には板目(いため)と柾目(まさめ)がある。
原木を切る(割る)方向で、板目と柾目が現れる。
マストには素性の良い、細かい柾目が要求される。
その方が伸び縮みが少なく、ねじれも少ないからだ。
図から見えるように、20センチ角の四方柾を取る場合、
原木ではその5倍以上の太さが要求される。
また、こうやって四方柾を取ってしまうと、あとに残った材木の切り方に悩むことになる。
四方柾は非常に贅沢な材木の使い方だと思います。
その角材を半分に割って、メインセールのボルトロープ用のグルーブ(溝)を掘り、
再度接着剤で貼り合わせる。
◆ ◆
追記。
マスト内部は中空になるように削られていて、軽くなっている。
また、マストが傷んだりした場合、スカーフという接合方法で
補修できる。が、こんな技術を持っている人は少なくなった。
合板でヨットを作る場合も大きな合板を作るため、お互いの合板を
スカーフして貼り合わせた。