合板について書くときりがなくなってしまうが(笑)、合板には種類がいっぱいあって、
使用箇所、使用方法によって日本農林規格に定められている。
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_53_1.pdf
合板にはタイプワン(T-1)とタイプツー(T-2)が通常ホームセンター、建築資材店など
で販売されているが、船で使われるマリングレード合板、航空機に使われる航空機用合板
などがかつては存在した。
しかし、作っても売れないから、現在では日本でこれらを作っている合板会社はないと
思われる。ただし、合板の農林規格には存在する(のかな)。
構造用合板の中にも特類と1類が存在することになっている。
構造用針葉樹合板特類一級という合板の中でヤング係数最大のモノが要求された
コトがあった。
が、規格には在っても、そんなモノを常に作っている合板工場はない。需要がないから。
日本で一番高所に作る木造建築。
富士山頂下のバイオトイレ。こんな所にも合板は使われている。
平地で一度組み立てて、解体して、300kgくらいに梱包してブルドーザーで荷揚げ。
1962年に密出国してサンフランシスコに渡った堀江健一氏のマーメイド号。
これも19feetの合板艇だ。マリングレード合板だと思う。
ヨット設計者の横山一郎の父、横山晃氏の設計。
JOG19か。ジュニア・オフショア・グループ
今でもサンフランシスコの国立海洋博物館に展示されていると思う。
どこからか借りてきました。
今、普通に存在する合板のサイズは3×6(910×1820)、4×8(1212×2430)
くらいだと思う。
厚みは2.3、4.0、5.5、9.0、12.0、15.0…と3ミリおきに30ミリまで規格はある。
長い合板を必要とする時は、2枚の合板を斜めに薄く削って貼り合わせる「スカーフ」
という方法が必要だ。
普段、合板をベニヤと呼んでいるがベニヤ(veneer)とは貼り重ねられた
単板1枚のことを云うのであって、本来は合板(plywood)=プライウッド。
現在、合板でヨットを造っている、造ろう…と云う人は数少ないと思うが、
こんな本を読んで置くことが必要だ。
普通はキャビン内のパーツ、内装材として合板が使われていると思う。
合板の表面(片面)にはチーク、マホガニーなどの薄い単板が貼られていて
雰囲気を出してくれる。
その単板がはがれてきたり、空気が入って水ぶくれのようになってしまった
経験はお持ちだろうか?。
そんな時は中へ接着剤を注入しようと考えるが、それは間違い。
家庭用のアイロンを熱くして、布をあてて、押さえてください。
内部にすでに接着剤が入っているのでホットプレスの役目をします。
再度、しっかりと密着、接着します。
もう一つ蘊蓄(笑)。
ホームセンターなどで「コンパネ」という言葉が使われているが、「コンパネ」と云う
言葉は合板メーカー永大産業の登録商標。永大産業の「コンクリート型枠合板」の名称。
まあ、有名無実になってしまっているが。
コンパネのサイズは1800×900×12。
同じ厚み12ミリでも普通合板は1820×910×12のサイズになっている(…と思う(笑))
今は三陸地方に多く存在した合板会社の全てが壊滅状態で再起が望まれるが、
再起しない合板工場の方が多いかもしれない。