今日発売の「文藝春秋」。
まだ買っていないが、あとで買いに行こう。
明日で3.11から3ヶ月たつが
吉村昭氏の以前の発掘テープの内容がが掲載されているようだ。
吉村昭氏。記録文学というジャンルを作った人なのかな。
数年前に亡くなったが、吉村昭の本は好きで案外読んだ。
自分の書棚に吉村昭コーナーがある(笑)。 40冊以上あるだろうな。
何度も読み返したのは、黒三ダム建設工事を書いた高熱隧道、ニコライ遭難、
戦艦武蔵などかな。
「三陸海岸大津波」が発表されたのは昭和45年。
この文集文庫が出たのが平成16年。
明治29年(1896)6月15日の午後8時2分の地震、大津波と
昭和8年3月3日、未明午前2時32分の地震、その後大津波のことが詳細に書かれている。
以前、この本を読んでも、それほど実感が沸かなかった。
「なるほど、そういう津波が在ったんだ。静岡でも気をつけないと」
…と思うのが精一杯だった。
3.11の大津波の映像をテレビで見た時に、すぐにこの作品を思い出したが、
怖くて読む気がしなかった。
先日、意を決して(笑)、もう一度読み返した。
明治29年の津波と昭和8年の津波のことが書いてあるのだが、
どのページを読んでも、テレビで見たあの津波を思い出して恐怖を感じる。
youtubeで「津波」「大津波」と検索すれば、たくさんの動画が出てくるが
吉村昭氏の取材力、調査力そして表現力は、これらの動画を上回っている。
また、写真はないけど、当時の手書きの挿絵が載っているが、
これまた三陸地方被災後とそっくりです。
解説:高山文彦
本書によって考えさせられることは、かくも多様である。
昭和45年に上梓されているのに、少しも古びていない。
それどころか新しくさえ感じられる。
三陸の人々にとって津波は宿痾のごとくある。
ならば新天地を求めて移り住めばよい。しかし人達は土地を離れず、
津波をいつか必ず来るものと受け止めて生きてきた。
※
1.しゅく‐あ【宿痾】
長い間治らない病気。持病。痼疾(こしつ)。宿疾。宿病。