「日吉丸」の場面から南へずーと下っていく。途中「弁円悔悟」の場面があるが、通り越して道が左に曲がるところまで行くと林の中に「板敷山弁円狙撃」の場面がある。話の流れから先に「板敷山弁円狙撃」について記事にする。
板敷峠は、茨城県桜川市と石岡市の境にある峠。筑波山地北部に掛かる峠の一つで、燕山(701m)と板敷山(304m)の間に位置する。
親鸞が坂東(関東)で布教教化する事に危機感を持った山伏の弁円(べんねん)は、修験の仲間と彼を殺害しようと板敷峠で待ち伏せをした。弁円たちは、山頂に護摩壇を焚き、3日3晩待ったが、この道を通るはずの親鸞は姿を見せず目的を果たせなかった。
この事件は、浄土真宗では「関東教化中法難」と呼ばれる。この事件が起こった標高112mの旧峠は、現峠の東約300mにあり、山頂には弁円たちが築いた護摩壇跡が残されているという。
さて、五色園の「板敷山弁円狙撃」の場面の弁円とその仲間の像は、傑作揃いである。鋭敏な顔あり、悪人顔あり、間抜け顔もあり、浅野祥雲の観察力の確かさを感じる。

峠を行く親鸞。

危険を察知したのだろうか?弟子の方を振り返る親鸞。

山上で弁円一党が待ちかまえる。

見張り役。

鉞を持って待ちかまえる。

刀に手をかけ、待ちかまえる。

こちらは、弓の準備をしている。

これが、弁円のようだ。

どこかで見たような人物である。