冬至の次候
七十二候第65候 【麋角解】(さわしかのつのおつる)12/26〜12/30頃
オス鹿の角が落ちる頃となった。オスの鹿は一年に一度、角が根元から自然にポロっと取れて、春にはまた新しい角が生え始める。
「麋」とは、大型のシカの一種で、一般にヘラジカ、またはオオジカのことといわれる。
ニホンジカの場合、生後1年で枝分かれのない1本角が生え、2年目で1叉(さ)2尖(せん)(とがったところが2カ所)に、3年目に3叉4尖の成獣の角になるそうだ。ただし、角が落ちるのは春先で、年末のこの時期ではないという。
奈良公園の鹿の角切り行事が有名であるが、10月に行われ、鹿の恋の季節の前に雄同士が角で傷つけあうのを予防するために行われそうである。

奈良公園の鹿の角切り
シフゾウという鹿の仲間がいる。「蹄はウシに似ていて、首はラクダに似る。また、角はシカのようであり、尾はロバに似ている」ことからシフゾウ(四不像)と呼ばれる。野生種は既に絶滅してしまい、今は動物園でしかお目にかかれないが、元来は、中国東北部から中央部辺りにかけて分布していたのではないかと考えられている。
このシフゾウが、角を落とすのが今の季節らしい。
【麋角解】という時候は、中国でまだシフゾウが生息していた頃にできたのかもしれない。

これがシフゾウ 広島市安佐動物公園