毎朝通っている喫茶店の庭にツワブキの花が咲き始めた。
ツワブキ(石蕗、艶蕗)は、学名を Farfugium japonicum といい、キク科ツワブキ属に属する常緑多年草である。初冬に黄色い花を咲かせる。葉柄は食用になる。
和名ツワブキの由来は、艶葉蕗(つやはぶき)=「艶のある葉を持ったフキ」から転じたとする説や、厚葉蕗(あつはぶき)=「厚い葉を持ったフキ」から転じたとする説もある。
土の下に短い茎があり、土の上には葉だけが出る。葉は土の中の根から生える根生葉で、葉身は基部が大きく左右に張り出し、全体で円の形に近くなる腎臓形で特有の香りがある。葉の長さは4〜15cm、幅6.5〜29cmと大型で、濃い緑色をしており、葉身は厚くて表面につやがある。長い葉柄(軸)を持ち、葉柄は大きく切れ込んだ葉身の中心につく。
キク科のフキとよく似ているが、フキは秋になると葉が落ちる夏緑性の草であり、常に緑の葉をつけているツワブキとは別属の植物である。
ツワブキの若葉は、はじめ内側に巻き、灰褐色の長毛が生えているが、後に無毛になる。葉の裏面に毛が多く生えている。
花期は初冬から冬にかけて(10〜12月頃)。葉の間を抜けて花茎を伸ばして高さ30〜75 cmになり、その先端が枝分かれした散房花序をつけ、直径5cm前後のキクに似た黄色い頭状花を、ややまばらに数個まとめて咲かせる。花のつくりは、外周に舌状花が並び、中心には密に管状花が集まっていて、どちらの花も結実する。