私は、稲永埠頭の近くで育ったので名古屋港には、いろいろな思い出がある。小学生の頃だが、稲永新田や一州町から市電に乗り、築地口で降り、名古屋港まで外国人向けの商店を眺めながら歩いたり、父と一緒にずらっと並んだ屋台でおでんや“とんちゃん”(ホルモン)を食べるのが楽しみだった。港祭りには、埠頭に陣取って花火を見るのが毎年の習いであった。
現在の名古屋港は、名古屋港水族館を筆頭に名古屋の観光スポットに大きく変貌した。『南極観測船ふじ』もそのうちの一つだ。『ふじ』は、日本の海上自衛隊の砕氷艦である。昭和40年(1965)に竣工。同年から南極観測船としての役割を『宗谷』より引継ぎ、昭和58年(1983)まで南極地域観測隊輸送に従事した。退役の後は南極観測に関する博物館として名古屋港ガーデン埠頭に係留され、当時の姿のまま一般公開されている。

南極観測船ふじの錨。

南極観測船ふじのスクリュー・プロペラ。

タロとジロの像。