第十八候 「牡丹華」 (ぼたんはなさく) 4/30〜5/4頃
七十二候が穀雨の末候に変わり、牡丹の花が咲き始める頃となった。
牡丹は、ボタン科ボタン属の落葉低木で、晩春から初夏にかけ、直径10〜20センチの豊麗な花をつける。紅・淡紅・白・紫など様々な色の花が咲く。
はじめは薬草として中国から伝わったが、平安時代には宮廷や寺院で観賞用として栽培されるようになった。牡丹の花は、20日ほど楽しめることから「二十日草 (はつかぐさ)」の別名もある。
牡丹とよく似た花に芍薬がある。芍薬も同じボタン科・ボタン属の花で、一見するとかなり似ている。この2つの花の英語名は「peony」。つまり英語圏の国では区別がなされていないのだが、この2つの花は全く別の植物である。
牡丹と芍薬の違いが最もよくわかるのが葉の形である。牡丹は葉にツヤがなく、大きく広がっている。また、先が3つに分かれてギザギザになっているのも特徴である。一方、芍薬の葉はツヤがあり、葉の先にギザギザはない。全体的に丸みがある。
一般的に牡丹は晩春に咲き、一方の芍薬は牡丹に遅れ、初夏に開花する。
また牡丹は、木本性(樹木)で、芍薬は草本性(草)である。
「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美人を形容する言葉があるが、
芍薬は枝分かれせずまっすぐ伸びるのでスラリとした立ち姿の華麗な美人にたとえられ、牡丹は枝分かれして低く横に広がっていくので、落ち着きのある清楚な美人にたとえられる。
平池浦の民家 4月16日頃写す。
ボタンの葉の特徴
今池下の民家 4月19日頃写す。
これは芍薬
平池浦の民家で毎年咲く芍薬はまだ蕾である。
