ニホンリスの行動範囲は巣を中心に半径200、300メートルといわれている。また一匹のリスが2、3個巣をもち、使い分けているようだ。実際、一つ巣を見付けると、たいてい50メートルぐらい離れた場所に別の巣を発見する。
そして、巣を作る場所は、周辺で一年を通してエサが得られるところ。逆にいえば行動半径が狭いのだから、エサの少ないところに巣は作らないことになる。
この行動半径には疑問もある。実際には、独立した子リスが自分の巣を作るときなど、他のリスの縄張りを避け、遠くまで移動することもあるはず。運動能力はずば抜けているのだから、エサがなければ500メートルだって走るだろうと思うのだ。ただ、天敵の多いリスが遠くまで出歩きたくないのは確かだろう。
これまで調べたエサを箇条書きにしてみると、
・冬→ドングリ、松の実、クルミ(貯えたもの)
・春→木の新芽、山桜やミズキなどの樹液、ミズキの花茎、松の実、木いちご(推測)
・夏→木の新芽、ミズキの花茎、山桑の果実、松の実、昆虫など動物タンパク(推測)
・秋→ドングリ、山栗、クマシデ、クルミ、ヤマボウシ(推測)、アケビ(推測)、サルナシ(推測)
など。
これら全部の索餌現場を見たわけではないが、食痕や資料などと照らし合わせ、まず間違いないもの。
(推測)としたのものは未確認だが可能性が高いものである。これも巣の近くに豊富にあり、調べた資料にも載っていたり、食痕らしきものもあったりする。
ただ、クマシデの木が2本、クルミは1本しか見付けられないから、これらのエサとしての比重は小さいかもしれない。でも、1本や2本しかないないなんて考えられないから、どこかにまだあるだろうと思っている。
また、5月に山桜のサクランボがたくさんなるが、樹液をなめているのは見たけどサクランボに手を出さなかったのが不思議。テンの糞にサクランボの種があったから、テンが食べているのは分かるけど。
それと、冬のエサの種類が少なすぎると思う。他の資料でも冬のエサはクルミと松の実ぐらいしか載ってない。
林道周辺にはコナラ林があちこちあり、ドングリが豊作なら冬中これだけで生きられそうなほど。昨年など、春近くでも実のしっかりしたドングリがたくさんころがっていた。割って口にしてみたが、けっこう旨かったのだ。だが、今年は不作で、どこにも見られない。いったい何を食べているのか大変気になる。まだ何かあるはずだ。
あと、木いちご(推測)は、赤いの黄色のとたくさんあるが、これは同じような山桑の甘い実を夢中で食べるのから、たぶんそうだろうと想像した。木いちごを食べるには地面に降りなくてはならないし、テンなどもこれを食べるだろうから危険で、現場を見ることは難しいだろうと思う。
リスはこれら以外にも色々なものを食べているだろうと想像できる。たとえばミズキの花茎を食べるのだから、他の花茎も食べるだろうし、花びらだって食べるかもしれない。秋の散歩の途中、ときどきヤマイモの実ムカゴを生のままかじったりするが、これだって栄養化が高いし旨いから、リスが食べているのではないかと思えるのだ。
カエデのあのブーメランのような実もあやしい。倒木の上のエビフライの横に割れた実がたくさん落ちている。これは鳥がついばんだ可能性が高いし、リスの餌としたら少し小さいようにみえるが、豊富にあるし、ぜひ確認したいところ。でも難しいだろな〜。
上の写真は山桑の果実をくわえたまだ冬毛の残るメスリス(2005年6月24日)。このときは4匹同時に発見し、他の3匹は逃げてしまった。成獣が4匹一緒にいることはないので、母親が子を連れていたといえる。そして、体の大きさ、汚れ具合などから写真は母親であると判断。
下の写真はミズキの花茎を食べるリス。一度枝付きのまま切り離し、持ち替えて柔らかい花茎を食べていた。白い花をポツポツと落としているのが観察できるのだ。
これらが美しく撮れれば最高なのだけど、まあ、資料ということで(だれがこんなもの必要だ〜)。
それに、ちっともブログになってないぞなもし。

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