本文とは関係ないが、テンのではない少し大きなフン。誰の落とし物?
これまでリスの生態が知りたくて、ネットであちこち調べてきたが、ニホンリスの詳しい情報、知識はほとんど手に入らなかった。
ごく一部、森林総合研究所の貯食を扱った論文や、他に部分的内容の小論文などあったけど、リスの生態を知るにはあまりに足りない。研究者の論文一覧などの中にリス関連のものも少しはあるのだが、これははネットで公開されてないし、テーマもなにか偏っていてピンとこないものばかりだった。
日本のリス研究はどうなっているのか、誰が本気でやっているのかまったく知れなかった。
そんななか、一度電話でリス、ムササビ、ネズミが造るエビフライの違いの教えを乞ったリス・ムササビネットの元事務局の方が、こちらの質問を覚えていてくださり、最近メールをくださった。
疑問だったエビフライの差をいま研究者と一緒に調べられているとのこと。
そのやりとりの中でニホンリスを専門にされている研究者は日本にほとんどいないことを聞かされた。リスの論文を発表される方の多くが他の動物との兼職であるようだ。
どうもよく判らないのだが、リスは動物学者にとり、ありふれた存在で専門にやる研究対象として魅力ないものなのか。その割にはどこにも詳しい資料がないではないか。
と思い、昨日久しぶりにネットで論文探しをしてみたら、下記のものを見つけた。
以前からここの別ページはブックマークしていたのだが、こんな素晴らしい(読みたかった)論文が隠れていたのである。最近アップされたみたいだし、ネット検索は難しいね。
哺乳類科学(哺乳類学会)
ニホンリスの保全ガイドラインつくりに向けて III.
ニホンリスの保全に関わる生態
矢竹 一穂, 田村 典子
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/mammalianscience/41/2/_contents/-char/ja/
この論文は「ニホンリスの保全に関わる生態」ではあるけど、これほどニホンリスの生態の全体を見通したものは他にまったくない。
これを読んで、これまで5年間ニホンリスを観察してきた内容、知見と重なり、大いに納得できた。
ただ、分析の元になっているデータ収集が自然公園などのものが多く、不確定、不安定であり、私の体感と違うものがいくつもあった。しかし、データはデータでたいへん参考になるし、これからの観察に照らし合わせていけるものである。
天敵の項目では、テン、ノスリ、オオタカと載っていて、私のいつも書いているブログと同じで思わずにんまりしてしまったね。
ちなみにエビフライの分析をしてくださるのが、この論文の共同著者の後者であった(論文発見は偶然)。
楽しみだな〜。

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