箱根側斜面を見下ろしたところ。写真中央から左上の方がブナ林。
シカが開いた笹薮で、足跡がたくさんあるし、押し倒された笹もある。
角トギの跡。かなり深いキズになっているから、大きな角を持っている雄?
シカが体をこすりつけた跡。柔らかく長い毛がついている。
山頂から少し下った、小田原側でシカのまだ新しい糞を発見。
今回も野良こねこさんに連れられ初めて白銀山へ登ってきた。
白銀山は私のフィールド、白銀林道の上に位置する。
そして山頂はターンパイクのわずかに箱根側なのだが、これが林道のどこからも確認できない。
この山頂エリアは標高が1000mぐらいと高いせいか、松は見えず、コナラなどの落葉広葉樹も少なく、一見野生動物に魅力ない場所のように思っていた。
しかし、湯河原にいないと思われていたシカの痕跡があると教えていただき、一度は確認しないといけないと思っていたところでもある。
で、葉を落とした名の分からない低木や、イヌツゲの老木などがあるものの、全体に樹種の貧弱な林の中を登りはじめ、やはりこれでは動物は少ないな、とあきらめだした頃、視界が突然開けた。
そして、箱根側斜面に見える林がブナ林であると野良こねこさんが教えてくれる。
はずかしながら私はブナという木をこれまで特定できなかった。
なにしろ植物の名を覚えはじめたのが、リスのエサを知るためだし、この7年、しかも白銀林道しか知らないといっていいぐらいなのだから、林道にないものは分からない。
いわゆる山歩きする人の誰もが知っているブナなどの知識がないのである。
白神山地のブナだとか、自然番組などであまりに有名なブナの林がこんな近いところにもあったのである。
また、どんどん進んでいくと、箱根側だけでなく湯河原側にもブナの巨木が見られるようになってきた。
ブナの実っていろんな動物のエサになるハズ。たしかクマも食べるのじゃなかったっけ。そう思ってちょっと調べてみたら、クルミや松の実についで高カロリーとされていて、ならばリスの好物にもなっているはずと確信した。
また、ブナは神奈川県では標高800m以上に多いとされていて、だから見られなかったのかと納得である。
このブナ林の笹薮の中でケモノ道を見つけ、それをたどっていたら薮が開けてシカの足跡がいっぱいの広場を見つける。
角トギの跡や、体を木にこすりつけた跡があり、ここがシカの寝床になっていると想像された。
こんな場所を二か所みつけ、後で糞も発見でき、湯河原にシカが生息することをはっきり確認できたのである。
ブナの実を食べるリスも観察してみたい。

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