日本森林学会の論文「河畔域におけるオニグルミの齧歯類による種子散布と実生の定着」(山形大学)によると、調査地区の中心に置いた1500個のマーカー処理したクルミは一か月以内にすべて持ち去られ、のちに7パーセントが発見される。そして、その96パーセントがリスとアカネズミに食べられていたそうである。
これから、オニグルミは主にリスによって貯食され、それで勢力を広げているのはまず間違いないこと。
リスの食痕とアカネズミの食痕比率からもそれはあきらかだ。
しかし、クルミはほんとにリスだけに生命線をゆだねているのだろうか。リスの絶滅した地域はどうなのだろう。
写真は先日丹沢へ行ったときの、宮ヶ瀬湖畔である。
山へ登る前に撮影したのだが、写真中央あたりの幹の白いのがみんなオニグルミ。数えたらすぐ40本を超え、ほんとに驚いた。
それでも、よく似たホオノキかもしれないと、すぐ断定してなかったのだが、写真を拡大してみたら、ホオノキなら白く大きな葉がびっしり落ちているはずなのに、写真には少しもみられない。
よってこれらはオニグルミでまず間違いないだろうと思う。
そして、これらがすべてリスによって運ばれたことになる。
これから、リスの信じられないぐらいの行動が想像されるのだが・・・。

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