むかしからカエルは水辺にいるものだと信じ込んでいた。まさか標高の高い林道の森の木々の中でカエル出合うなんて思いもよらなかった。
ニホンアカガエルを初めて森の中で見たときはほんとに驚いたのである。
その後、ヒノキの人工林の中でヒキガエルがヤマカガシに襲われる現場に遭遇したり、林道の未舗装部分の水たまりにオタマジャクシがたくさんあったりで、田んぼや沼がなくともカエルが生息できることを理解するようになった。
しかしである。
田舎の田んぼでは春になるとうるさいほど鳴き声がし、どこにでも姿がみられるのに、林道の水たまりのオタマジャクシの主は鳴き声はすれど姿を見せないのである。
テンやイタチ、猛禽に常に狙われているから、森のカエルは野生度がきっと高いのだろう。
一度だけクルマで通りかかったときに跳ねていたが、姿をじっくり見る間もなく逃げられてしまった。山肌から水がしみ出すあたりの落ち葉の下で、ガーガー鳴いているのはいったい誰だろう。いまだにその正体がつかめない。
今回、改めてネットでカエルの鳴き声を調べたら、ヒキガエルに似てはいるけど、少し違うような・・・。
http://hitohaku.jp/education/frog/top.html
このカエルのものかどうか分からないが、まだ寒い3月にはもう水たまりに卵魂があり、鳴き声も聞こえたのだ。
この水のしみ出す斜面が、昨年の秋大きく削られ、落石防止のネットが張られた。林道の鋪装の準備だと思うが、水たまりができるデコボコも砕石を投入され平になってしまった。
もうカエルが住めなくなったかもと、3月にのぞいたら、わずかに残ったU字溝の水たまりの一か所に黒い卵魂を見つけた。
それを先日久々にのぞいたら、ほとんど涸れかけた枯葉の間のわずかな水で、元気にオタマがうごめいていた。
斜面に吹き付けられたモルタルのような隙間から、チョロチョロ水がしみ出し、なんとか生きのびていたのである。
で、オタマジャクシから親が分からないか調べたら、ニホンアカガエルかヤマアカガエルであるように思えた。
http://hitohaku.jp/education/frog/zukan/img/nihonaka8.jpg
http://abukuma.us/frogs/yamaakagaeru.htm
ヤマアカガエルのオタマジャクシは寄り目なのが特徴だそうだ。よく見るとそうである。
オタマジャクシといえどそれぞれ違う顔や体をもっているのだな〜。
でも、ネットの鳴き声とまったく違うから、種類が混在しているのかも。確かに5月頃にも道路の水たまりにオタマジャクシがいたゾ。

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