キクアザミ/
k-ta隊員ややまぼうしさんと山を歩くと、「今日は○○目になっているね」という言葉がよくでてくる。
たとえばカキランのような希少な植物でも、そればかり見つけてしまうようなことがあり、それが「カキラン目」なのだ。他のものを探そうと思っていても、なぜか同じものを発見してしまうのである。
それはきっと目が同じ絵柄に反応するようになっているからだろうと思う。
大きく言えば植物を探す目と動物を探す目もまた違う。
私の場合、最近「植物目」で森を歩くから、動物をほとんど見ることがなくなってしまっている。
「植物目」は絵柄や色の変化を追い、キョロキョロと忙しく目が動く。
一方の「動物目」の方はできるだけ遠くを広角でまず見る。そして、何か動くものや変と感じるものがないか注視する。それから近場に目を戻しながらこれも変化をさぐる。
以前、ヒノキの幹の裏側から、ちらっと動物のしっぽが動くのが見えたことがある。
それを静かにじっと追っていたら、幹を上り枝を伝い、林道をまたぐ木の橋に姿を現し、テンであるのが分かった。
「動物目」は目だけでなく、耳からの情報も重要で、わずかな音の変化もとらえる必要がある。
これらから考えると、釣りの場合はきっと「魚目」になっているのだろうな、とも思う。
昨日網代からの帰りが渋滞で、何気なく海面を見ていたら風波ではないほんのわずかなザワザワがあった。
イワシが大型魚に追われて浜辺にびっしり集まり、おしくらまんじゅう状態になっているのだ。でもあまり騒ぐと鳥や人間に発見されるから、小さく必死で逃げている。
しかし、釣り人のほとんどはこの小さな変化に気づかない。
海の中はなかなか見えないのだ。
写真は10月31日のキクアザミ。
きれいに咲いていた。

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