ブッドレア/
「風土」とは「その土地固有の自然」のこと、だろう。
私は「食は三里から」の「食」と、この「風土」が、そこで生まれ育つ子供の心と体を作り上げ、また、疲れた大人には芯からやすらぎを与える「心の故郷」なのではないかと思っている。
しかし、いま多くの人は心の故郷を持てず、グローバル化し複雑に交差した社会の中でギスギスと生きている。そして個の自由も幸せも人間関係の枠の中だけにあり、その枠を外れると、すべてが崩壊するかのようである。
豊かになるための経済活動そのものが、「その土地固有の自然」を破壊し、「食は三里から」どころか地の果ての安い穀物や魚を略奪するがごとく買い付けてくる。
たとえどんな田舎に引っ越しても、それは追っかけてくるのである。
写真は林道で見つけたかご抜け(鉢抜け?)の園芸種ブッドレア。
どんな経路でここで花を咲かせているか不明だが、私はこれが風土をデタラメにする大きな要因ではないかと考えている。
「風土」とはその土地固有でなければならないわけで、生まれ育つ子供がこれを見ながら育つと、地元の野生種と勘違いし、故郷の花となるのだ。
こんなのが日本中の野山にあふれているわけだから、「私の故郷の花」というアイデンティティーは成り立たないのである。
もちろん、食べ物も同じである。
いま、これらに一定の線引きをする必要があるのではないだろうか?
今日はこれからダイビング船だ。

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