アカネズミのエビフライ/狭い樹洞の奥から少し引き出した/
倒木の根元の隙間をのぞくとエビフライが/奥に穴があり巣だろうと思う/
ヒメネズミのエビフライ?/今回樹上からの落下物と判定/
久々にエビフライの話題を。
リス観察を始めた頃、見つけたエビフライがリスの作ったものかネズミのものか、それともムササビのものなのかが知りたくて悪戦苦闘し、なんとか判定できるようにした。
その詳細はカテゴリー「エビフライ・松毬」の最初の頃に何回にもわたってあるが、やっと識別できたと思ったネズミのエビフライを今度はアカネズミのものかヒメネズミのものかまた調べる必要がでてきた。
ネズミのエビフライは体の大きいアカネズミが作るものだろうとぼんやり考えていたのだが、哺乳類科学の論文「ヒメネズミとアカネズミの微生息環境利用の季節的変化」関島恒夫/に、ヒメネズミが夏から秋にかけカラマツの樹上をよく利用するのは、この時期カラマツの球果が樹冠部に多量に形成され、それを食べるためではないか、と推測している。
ま、リスもそうだが、垂直の木を上下するような高い運動性をもつ小動物にとり、高カロリーの松の実は最適な食べ物で、鱗片さえ剥がす能力があれば誰だって食べたいだろう。
ヒメネズミがこれをエサにするなら同じようなアカマツの実を食べるのは当然だ。
というか、過去に発見したアカマツのエビフライで、それまでのネズミのエビフライと様子が違う、しかしリスのものでもないエビフライがずっと引っかかってあり、これがひょっとしてヒメネズミのエビフライかも、と今回思ったのだ。
推論の積み重ねではしょうがないが、まず写真上二つはアカネズミのエビフライと判定してもいいのではなかろうか。
上の写真は狭い樹洞の奥にあったエビフライを手前まで引っ張りだしたもので、下は倒木の根元の狭い隙間を覗き込んで見つけたエビフライ。
どちらもクロマツの球果で長さは8センチ以上ある大きなもの。ネズミ特有の細かく砕かれた鱗片が周囲に散乱していた。
この二つはあきらかに古いものを食べているのが分かるが、鱗片が大きく反り返ってないし、白っぽいから青から茶色に変わる頃落下したのを貯食しておいたものだろう。
こんな大きな松ぼっくりをヒメネズミは貯食できないだろうと思う。
http://white.ap.teacup.com/takezou/img/1228265255.jpg
一方、下の写真は物陰でなく広い落ち葉の林床に落ちていた小さなエビフライで、鱗片の齧り方からリスのものではないのがはっきりしている。
それに、鱗片が反り返っているから開いた松ぼっくりなのが分かる。また、この周辺に剥がした鱗片が落ちてないから樹上で食べたのも分かる。
この2種のエビフライはネズミのものであるのはあきらかだが、様子がちがうな〜とずっと引っかかっていた。
しかし今回、もしヒメネズミが樹上でリスのようにエビフライを作るとしたら、これだろうなと思ったのだ。
まあ、ネズミのエビフライの識別はいまから始まるのだが、疑問や、間違などあったらどんどん指摘してくだされ。
註:エビフライ判定の記事は、その都度理解が深まっていったから、古いものに矛盾があるかもしれない。特に貯食された松ぼっくりをはっきり認識できるようになって、やっとトータルで見られるようになった。
ただ、貯食された松ぼっくりの現場確認がまだではあるが・・・。

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