肝と卵巣に強毒(猛毒の一ランク下)、内蔵に弱毒をもつトラフグ/
今週火曜日、アマダイ釣りをしていたお客さんが写真のトラフグを釣り上げた。
いや、正確に言うと、釣れたアマダイの背中にトラフグがかじりつき海面まで上がってきたところを網ですくったのである。
この強毒をもつトラフグ、お客さんは持ち帰ることもできず、イケスへ投げ込んでこれを船長がいただいた。
で、普通市場へ卸すところだが、私は今回これを本気で食べてみようと思った。
というのも、以前4,6キロの超大物トラフグを釣り上げたとき、市場へ出したらたった8600円しかしなかったのが後悔としてある。それならみんなで食べてしまえばよかったと思ったのだ。
料理屋でトラフグのフルコースを食べるなんてとてもできないし、養殖トラフグ身欠き一匹分だってネットで10000円もするのである。
それに、4,6キロを釣り上げたのは春で、こいつは1,1キロだけどいまが旬の冬。旨い白子が入っている確率は50パーセント。
しかし、周りに聞いてもフグ料理の免許を持っている者はいない。そこでネットでトラフグを解体する動画などたくさん見て自分でできないかと徹底的にお勉強する。
http://www.youtube.com/watch?v=aC2eCxHReLo
(3分割されている動画)
その結果、トラフグ毒は肝と卵巣、内蔵にあるだけで、身や皮、血にも無く、その部位をのぞくだけで特別なことをするわけではないのが分かった。
フグ毒の事故データをみても、トラフグの肝をあえて食べたり、釣り上げたフグの種類も知らず鍋にして食べた、なんてのが多かった。
要するにフグの種類も見分けられないような人が自分で調理して食べる、ってのが一番の問題だったのだ。
肝は魚の一番旨い部位で、私もカワハギや無毒のサバフグの肝は食べるけど、強毒があるトラフグの肝をしびれながら食べる人は論外だろう。
で、自分でトラフグを解体し、僚船の天恵丸にネット動画を見せたら「これなら食べられる、危険はなさそう」となり、二人でテッサやテッチリ、唐揚げ、雑炊にして食べたのである。
白子のとろける旨さ、鍋の肉の歯ごたえある旨味、唐揚げの香ばしい甘さ、二人して夢中で食べる。
でもテッサは薄造りがうまくできず、皮も失敗。
とまれ、いまだに生きておりまする。

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