註:少し加筆
久々に朝から暖かく、用事を早々にすませて林道へ行ってきた。
はじめ、クルマの通らない遊歩道なら雪が残っているだろうと、幕山山頂を目指したが、雪はあったもののやたら足跡で踏み固められていた。
こんなに雪があるのに団体さんが、と不思議に思っていると、山頂にはアベックがいて、登山道の下からにぎやかな声も聞こえてきた。
そこでやっと、下界の幕山梅園がもうオープンしていたのに気づく。
山好きの花好きが梅見ついでにゾロゾロと幕山へ登ってきていたのだ。
慌てて逃げるようにし、白銀林道から枝のように出ているサクラ林道へ行ってみた。
この林道はたった2,8キロで行き止まりになる短いものだが、人が少なくクルマは途中にゲートがあるからまず通らない。それに全体が北東向きの斜面だから日陰が多く、雪がたっぷり残っているハズ。
ただ周辺は人工林がほとんどで、林道両脇ちょっとぐらいしか落葉樹がない。なので動物が少ないし、リスは林道周辺に住んでないだろうと思っている(まだ一度も雪の足跡も食痕も見ていない)。
で、行ってみたら、あるある雪が。しかも雪が降ったのは水曜日の夜なのにワダチはもちろん、人の足跡一つすらない。
その雪面にいきなりキツネの足跡発見!
昨年も一昨年も見たキツネの足跡だが、いつも林道を下る一方通行の一本だけ。これが不思議。
今回、雪もたくさん残っているし、これをトレースしてみることにした。
そしたらすぐに足跡が2本になり、どちらも下っていて折り返した足跡がないから、キツネが2匹?
2匹は離れたり交差したりとじゃれあうような動きがある。キツネはいま繁殖期かも。振り返って撮影する。
おや、並んでいたのは1キロもなくて、また一人旅になっている。下ってきてから合流したのか(2匹目の足跡の出所は雪のない場所もあって確認できず)?
えっ、足跡がいきなり消えた! どうした?
反対側から途切れた足跡の続きがどこかにないか探してみた。
でもどこにもないから、雪のない右側の路面に飛んだ? 1,5mはあるぞ。逆だ、路面から雪面に飛んだのだ。
しばらく進むと足跡がまたどこからともなく現れ、またまた途切れた。
(歩幅を計測したら広いところで約45センチだったが、途切れた最後の二つはどちらも詰まっている。これも逆、最初の二つだ)
でも、右側は道路一杯雪があるがどこにも足跡がない。とすると側溝から飛んだ? 足跡を逆に遡っているからね。
やっぱりここから側溝へ入り、数メートル歩いて前の写真のポツンと途切れたところへ飛んだのだ。
これって臭い消しのための行動だろうか?
おっと、道路を斜めに横切るイノシシ親子の足跡発見! キツネは左のダートを歩いている。
おっと! 今度はノウサギの足跡出現。キツネと交差しているが、キツネの足跡は寄り道せず知らん顔ふう。ノウサギが後から通過か?
そうしているうち、林道の終点広場へ到着。でもここには誰の足跡もないゾ?
数10mバックすると、この斜面で足跡が消えていた。ということはこの山の急斜面を下ってきたのだ。
足跡トレースは今回ここまでできたが、その距離は林道入口からほぼ終点までだから、約2,8キロ。ここをエサを探しもせずトットコ下っていたのと、途中から2匹になったのには驚いた。
キツネの巣穴は足跡が消えた斜面からそう遠くないところにあるのではないだろうか。でないとエサを探す移動距離が長過ぎるだろう。キツネの行動範囲を調べたら一日に3キロ四方から7キロ四方とあった。
昨年、一昨年も見た足跡はサクラ林道の入口近くまで下って消えていたから、キツネが林道に続く草原を餌場にしていると想像できるし、草原で糞も採取している。この草原の冬のノウサギの足跡はまるで運動会のようににぎやかだし、ノネズミも多いだろう。
ただキツネの足跡はいつも下りばかり。帰りは森の中を通っているとしか考えられないが、足跡を消したり、通勤のコースを変えているとしたら、キツネの慎重さはすごすぎる。
草原の周辺で採取したキツネ糞を参考までにアップ。
この糞の内容は未同定だった。
http://white.ap.teacup.com/takezou/129.html#comment
だが、糞まではサクラ林道奥から4キロぐらいある。これからすると、キツネは冬は毎日片道3キロ以上を通勤のためだけに費やしていることになる。
キツネの行動半径は予想外に広かったが、周辺に住んでいるのはこの2匹(?)だけなのか?
次は草原の散策道で見つけた糞
http://white.ap.teacup.com/takezou/481.html#comment
次は幕山入口付近で見つけた糞
http://white.ap.teacup.com/takezou/258.html#comment
これだとサクラ林道終点から4,5キロぐらいになる。
キツネは林道周辺に何匹いるのだろう?
註:
キツネの生態を調べたら、基本的に単独生活をし、巣穴で生活するのは主に子育て期間の3〜5月だけのようだ。
それに、巣を使うのは主にメスらしいから今回足跡をトレースしたキツネはメスかもしれない。
ただ、寝るだけならこれほど山奥へ入らなくてもいいだろうと思うが、イノシシを追うハンターとイヌがこないエリアまで避難してた可能性もある(狩猟期は2月15日まで)。
昨年撮影したキツネの足跡を見直したら1月のものもあり、子育てのためだけにこのエリアにいるのではなさそう。
ゲートがあるから狩猟のクルマが入れず、人工林ばかりでイノシシも他より少ないから猟師が入らない場所、という選択が考えられた。

0