2006/11/13

これは、Team Joy 飛登北原の記録である。
オーバーワーク、上達、そして故障…休息し、またオーバーワーク
この連鎖を繰り返し、飛登(トビト)はここまできた。
MOTIBETIONが高いからこその連鎖なのだが、体にはものすごい負担になる。
一ヶ月登り、一ヶ月休む。CLIMBING歴半年とはいえ、実質登れている期間は
3ヶ月くらいではないだろうか。
本人は言う、もっと登りたいと…。
ただ、故障するほどのTRININIGを繰り返したからこそ、ここまで上達したのだと思う。
2006年11月5日、八面下部。飛登は初恋クレイジーを狙う。今日で2日目のTRY。
一便目、ヌンチャクをかけに行く…と思いきや、核心手前に入っても、一向にテンションを入れる気配がない。上へ上へ突っ込んでいく。そして上部の核心で見事に落ちる。
どうやら、いきなりREDPOINTを狙っていたらしい。MASTERで狙うとは、凄まじい度胸をしている。
2便目は、パンプからのスリップフォール。『今日は力つきた…』と、小声で漏らす。
3便目は、かなり動きがかたく、いつも以上に足がきれていた。

それでも体を引き上げ、上のHOLDを狙う。…核心手前のクリップポイントに差し掛かる。クリップする余裕がないのか、次のHOLDに手を出す。落ちるかに見えたが、どうやら指先でこらえたようだ。…そのまま体を引き上げ、UNDERをとる。クリップをとばしているため、下にいる私も、ガンバとは言えない。もうクリップをしに戻ることはできないのだ。
ただ、見守るしかない。不安定なデットを、何のためらいもなく出し続け、無事核心を抜けた。安定したように見えたので、私を叫ぶ。
『クリップは?』と。すると上から、『あっ、忘れとった』と無責任な回答が返ってきた。…グランドフォールしなかったからよいが。この人はすさまじい度胸の持ち主だ。
その後、無事終了点まで行き、完登。
飛登にとってこのルートは、初めて打ち込んだ課題であり、実質初の5.11となる。
今日の完登の感覚は強く記憶に残るのではないだろうか。
ちなみに『初恋クレイジー』、私は5.11bでは辛いのではないかと感じている。
飛登北原。オーバーワークと最良のTRAININGの境界線を見極めることが今後の課題になるだろう。

投稿者:tajippei