東京メトロ2路線(日比谷線・半蔵門線)と相互直通運転を行う東武伊勢崎線では、東京メトロの車両だけで3系列が走っています。
東武伊勢崎線を撮影しに行くと、自社車両だけでなく当然乗り入れ車両も多く見掛けますが、その中でも日比谷線03系は撮影枚数が少なく、伊勢崎線内での乗車回数も少ないのですが、調べてみると製造時期による違いも多く見られ、バラエティーに富んでいます。その中から8両編成の前後各2両が5扉となっている編成を今回は取り上げたいと思います。
日比谷線に5扉車が投入されたのは1990(平成2)年のことです。当時日比谷線で活躍していた3000系の置き換えのため1988(昭和63)年より03系の投入を開始しましたが、日比谷線では階段がホームの前後にある駅が多く、ラッシュ時における乗降をスムーズにするため試験的に第09編成で前後各2両を5扉車としました。ラッシュ時に大きな効果を発揮した5扉車は翌年から増備が開始され、1993(平成5)年までに20編成の5扉車組み込み編成が新造されました。(第09編成〜第28編成まで)
このうち、最初に新造された第09編成は側扉窓が1枚ガラスで内側の押さえ部がアルミ枠となっています。第10編成以降は側扉窓が複層ガラスとなり内側の押さえ部もFRPとなったため車内の雰囲気が変わり、外から見ても第09編成は側扉窓の四隅のRがきついのに対し、第10編成以降は側扉窓のRが緩やかな感じになっています。
また、前面の運行番号表示・行先表示と側面の行先表示は1991(平成3)年度新造車までは字幕、1992(平成4)年度以降の新造車はLEDとなっています。字幕車は前面・側面とも行先表示は英文併記となっていますが、LED車は側面のみ英文併記で前面は日本語のみとなっています。
このほか、前面に5扉車連結を示す「5DOORS」ステッカーが貼られていますが、当初は前面非常口窓下部に貼られ、1997(平成9)年に「地下鉄走って70年」のステッカーを貼る際に「5DOORS」のステッカーが貼ってあった部分に貼ることになったため、前面車掌側上部に貼り直され、更に東京メトロのシンボルマークである「ハートM」ステッカーを貼る際に再度貼り直され、現在は前面非常口窓上部に貼られています。日比谷線内の各駅では3扉車の乗車位置目標と5扉車用の乗車位置目標の両方が用意され、5扉車用は「OOO」の部分に「5DOORS」の文字が入っています。
5扉車は、2ヶ所の扉を締め切り3扉車として運用することも可能で、中目黒・北千住の両駅では始発列車に限り3扉扱いとなっています。締め切りとなる扉には「このドアは開きません」の表示灯が設置され、扉の内側も薄緑色の化粧板が使われています。