長らく19m車の6両編成が最長だった阪神電車もなんば線の開業で大阪難波〜尼崎間だけではあるものの8両や10両編成の列車が走ることとなりました。近鉄車の8両や10両編成が尼崎までやって来るため同駅ではホームの延長を始めとする改良工事を行い、220m近くの長いホームになりました。
近鉄から8両・10両編成で阪神に乗り入れるのは快速急行だけですが、三宮直通列車は尼崎で編成を分割・併合する必要があり、これまで固定編成のみで駅での分割・併合作業とは無縁だった阪神がこれからは毎日駅で分割・併合作業を行うようになります。そのため職員の訓練を行う必要があり尼崎において現在旅客用として使われていないホームを使い、分割・併合の訓練を利用客から見えるところで行っているのを西大阪線に向かう途中で目撃しました。
車両は1000系2連×2本を使い、ホームの端から端まで使って分割と併合を繰り返していました。このため前の記事のような1000系2連単独の姿を撮影することが出来たわけです。
車両の分割・併合作業は単に車両を連結したり解放したりすればいいわけではなく、幌の連結と貫通路を確保しなくてはなりません。中間に先頭車が入ることになるので乗務員室内の機器を乗客が触らないようにする必要もあります。近鉄では運転台側のみを完全に仕切り、車掌側は機器にカバーをかけた上で開放されているためフリースペースのような感じになっています。シリーズ21では運転席を広く取った関係で貫通路が斜めになってしまいましたが・・・
ここで気になったのは、近鉄の車両を使っての分割・併合作業の訓練は行わないのかってことです。阪神車と近鉄車では貫通路の構造が異なるため、一応はやっておいた方がいいとは思うのですが・・・
また、近鉄に貸し出されていた阪神の1000系と9000系は返却されましたが、近鉄から阪神に貸し出されている9020系と1252系は1月24日の時点ではまだ阪神尼崎車庫におり、2連×4のブツ8を組んでいました。表示が「試運転」になっていたのでいよいよ月曜から近鉄車を使った阪神なんば線の試運転が始まるのかと思っていたら、何と24日の深夜に尼崎車庫から出庫し、「試運転」表示のまま阪神なんば線方面に向かって行ってしまいました。結果、阪神車の返却回送に続いての撮り逃しとなってしまいました。
※画像は連結状態のため通常の2+2のように見えますが、撮影時は幌の取り付け、取り外し等が行われていました。