阪急9000系・9300系の一部編成に見られる構体製作と艤装工事を別々のメーカーで行い、完成させるという手法は阪神でも5550系で実施したことがあり、5500系と見た目は似ていながら構体製作をアルナ車両が、艤装工事を阪神車両メンテナンスがそれぞれ行ったため阪急阪神HDに属するメーカーだけで造り上げた車両になっています。阪神では1000系以降新車は原則近畿車輌に発注しているため阪急阪神内での合作は異例のことで、今後このような車両が登場することは無いと思われるだけに5550系に対する貴重さが感じられます。

(2019.3.9 姫島にて撮影)
5550系は種別・行先表示に1000系と同仕様のフルカラーLEDを使用しているのがポイントですが5500系までのジェットカーとは異なり3M1Tになったため神戸方の5562はTc車になり、ジェットカー史上初のTc車を含む編成になりました。しかし5700系では同じMT比ながら両先頭車の台車を片側のみ電動台車にしたためオールM編成に戻り、ジェットカーのTc車は今も5550系のみの存在になっています。

(2019.3.9 姫島にて撮影)
5550系はTc車の5562を除いてシングルアームパンタを1基搭載し、梅田方の5551は5500系車体のMc車で唯一パンタグラフを搭載する車両になっていますが中間車(5651・5652)のパンタも神戸方にあるため5500系とは位置が正反対で、異彩を放っています。5500系についてはリノベーション工事で外観・内装共に一新し、5700系との差を縮めていますが5550系は車齢が若く、現時点ではリノベーション工事の対象外とされているので暫くはこの塗装で活躍することになり、最後の5500系列旧塗装車として注目されそうです。