京都市営地下鉄烏丸線との相互直通運転に使用する車両として造られた3200系は左右非対称の前面を持つ6両固定車で、幌や幌枠を備えた貫通形が当たり前の近鉄一般車の中では異色の存在ですが本来の烏丸線直通運用だけでなく近鉄線内のみ走る運用にも充てられているため見る機会は多く、大阪難波方面にも顔を出すため広範囲に活躍しています。難波方面に入った時は折り返しのため桜川に入線することがあり、回送とは言え阪神の駅に発着する光景を見ることも出来ますが阪神の接近放送が流れた後に入線する3200系は今も違和感があり、「阪神線に入れない車両なのに・・・」って思うこともあります。

(2019.4.30 富雄〜学園前間にて撮影)
大和西大寺行き普通に充当される3200系KL01です。同系は最初からこの塗装で登場したためマルーン1色の経験は無く、前面のデザインもあって当初は斬新な印象がありましたが現在も他のVVVF車に比べるとその印象があり、内装をリニューアルしているので尚更そう感じるのかも知れません。

(2019.4.30 富雄〜学園前間にて撮影)
3200系はKL07を除き当初は4両編成で運用に入り、烏丸線直通前に6両化されていますが1026系が登場するまで奈良・京都・橿原線系統の一般車における6両固定車は3200系と8600系X69しか無く、特別な存在であったのは間違いありません。近鉄で6両固定車がなかなか普及しなかったのは4両以下の短編成に対応出来ず、運用が限定されることが大きな原因だと思われますが現在は阪奈間を中心に6両固定車が多く見られるようになり、当たり前の存在になっているため昔とはガラッと変わっています。