かつて、東静高速鉄道で『夜行列車専用』の特急車両を計画していた時期がある。そのために試作されたのがこの車両である。
4両編成と6両編成が各1本ずつ試作された。簡易ベッドタイプの座席を設置した車両などを備えることを考慮され、乗降用扉を1車両で片方1つずつにして客室スペースを確保していた。前面形状は凡用タイプとされていたのは、東静高速鉄道4000形電車を座席車として連結する事が出来るようにしてあったためである(或いは救援時用など多くの説がある)。
編成を半々に出来るよう、5両編成の対応を2本試作した車両もあった。基本的設備は同じように出来ている。異形式併結の考えとは別に存在した『同形式限定併結運用』をも考慮して研究・試作されていた。
『夜行列車専用の特急車両』として、華々しく量産化されて営業運転に就く予定だった同車は、計画の立ち消えと共に東静車輌工業に長い間留置され、整備員の休憩施設などに使用されるなど、本来の目的とは縁のなかった使われ方をしていた。登場すれば『WhiteDream(白い夢)』という通称をつけて、夜の線路を疾走するはずだったであろうが、現状では『本来の目的』を見ることは出来なくなっている。

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