ドサッ

と落ちてきた柿ちゃんは、ケージから追い出されてキョロキョロと心許ない様子でした。
それでもこちらを見ると、なおも唸り続けていました。
仮母が柿ちゃんの側に近寄ったその時です!なんと仮母の足先目掛けて噛み付いてきたのです!
ガブッ!
うわっ!何をするのよっ!
私の大事な
クロックスに・・・
まあ、わざと咬み付かせたんですけどね・・・(笑)
それからブン!と向こう側に足を振ると、柿ちゃんは仰向けに倒れてしまいました。
そこですかさず胴体部分に軽くまたがり、両足で胴体を固定し、マズルを向こう側にグイグイ押さえ込みました。
仮母は、やる時は本当に容赦ないです。

鬼ですから・・・
きっと嫌な事なんでしょうから、出来れば一度で済ませたい。
反省するまでとことんやるタイプです。
柿ちゃんは、向こう三軒両隣に響き渡るような大声でわめき散らしました。
ギャヒ〜ッ、ギャヒ〜ッ!!! 
でもマズルを押さえ込まれているので、妙なくぐもった声です。
でもどんなにわめいても離さない・・・「 今咬んだでしょ?咬んだらいけない!絶対に咬んだらいけない!」

のどが痛くなるような低い声で、高圧的に言いました。
わざと咬ませたくせにまるでヤクザですね?
「 もう咬まないわよねぇ?絶対に咬んだら許さない!二度と咬むな!そんな卑怯な事したら絶対にいけない!」

何度も何度も言っているうち・・・相当怖くなったのか、柿ちゃんはわめくのを止めました。
それとほぼ同時に体から力がふっと抜けました。
しばらくホールドしたまま・・・その後ゆっくり手を離しました。
柿ちゃんは仰向けのまま呆然としていたので、立たせて今度はゆっくり話し掛けました。

「 柿ちゃん、何か気に入らないことがあっても、う〜う〜言ったり咬んだりしたらいけない。」
「 少し我慢することを覚えないとダメよ・・・ね?いい子にしていないと誰も貰ってくれないからね・・・」
悪い事をしたら当然叱らなくてはいけませんが、その後フォローするのがとても大事です。

これをしないと飼い主を怖がったり、不信感を抱いたりしますからね・・・
最近かなり懐いてきていましたが、これはまた振り出しに戻るわね・・・そんなことを思いながら言い含めました。
案の定話し終って仮母が立ち上がると、そそくさとケージに逃げ込んで行きました。

「 あ〜やっぱりね〜?でも一度はやっておかないとね・・・」
仮母はそれからお散歩の支度をして、きっと出て来ないんだろうと思いつつも「 柿ちゃ〜ん、お散歩よ〜

」と、取って付けた様な甘〜い声を掛けてみました。
するとね・・・懲りないだけなのか、はたまたお散歩に行くのが嬉しかっただけなのか、ニコニコしながらケージから走り出て来たんです。
シッポブンブン、足に飛びつき、カメラを向けたら絶対しないような笑顔満面
!権力に弱いタイプとお見受けしました。
「 あら〜!?気持ちが通じたのね?柿ちゃんって案外いい子じゃないの!」
仮母は、柿ちゃんとの間に強い信頼関係が生まれたような気がして、意気揚々とお散歩に出掛けたのでした。
その後、今日只今まで色々な事がありましたが、二度と再び威嚇したり咬んだりはしていません。
注意されてもうつむいて黙っています。
これで一つ問題がクリアされました。

ただし仮母と柿ちゃんの間で・・・ですけどね。
飼い主が変わればきっとまた同じ事をして試して来ます。
そうしたら頑張って、また教えてあげて下さい。1から・・・
果たしてそうかな・・・?あ〜ん、でもかわゆいから、そうね!
赤い字の部分、よ〜く覚えておいて下さいね!
後で必要になりますから。忘れないよ〜のわんクリック!