こういう預かりのボランティアをしていると、よくある事を尋ねられます。
それは保護犬のお見合いの場であったり、普通に知り合いになった方との会話の中であったりと、シチュエーションは様々です。
それは何かと言いますと「 この○○ちゃんは、もし誰にも引き取られなかったらどうなるんですか?」と言う事です。
「 また保健所に戻されるんですか?」と大抵の方が心配そうに聞いて来られます。
で、仮母は答える訳です・・・「 いいえ、一度センターから出された犬は再びセンターに戻される事はありません。里親さまが見つかるまでは預かりスタッフの家にずっと居ますよ。」
仮母は今までのツワモノ達

の顔を思い浮かべながら、尚も言葉を続けます。
「 中にはレスキューされた時点ですでに病気だったり、老齢だったりで預かりスタッフの家でなくなる子も居ますし、まれに預かりスタッフの都合でそれ以上預かれなくなって、別の方の所に移動する事もありますけどね・・・」
そう答えると皆さまほっと安堵の表情になり「 そうなんですか・・・ああでもよかった、じゃあ処分される様な事は無いんですね?」と嬉しそうにおっしゃいます。
そう言った後必ず「 でも○○ちゃんが出て行ってくれない限り次の犬が助けられないんですけどね・・・」と続けるのですが、もうその言葉は重みを失っており、本当の意味を理解されないまま受け流されてしまうのです。
恐らくは「
仮母が次の犬を預かれないから、
仮母が助けてあげられない 」と思われてしまっているのでしょう。
でも本当の意味はそうではないんですね・・・
実は・・・どこの愛護団体でもそうでしょうが、やはり助けてあげられる犬の数には限界と言う物があります。
それは資金的な面であったり

預かりスタッフの確保の面であったりと中々複雑なのですが、例に漏れずCATNAPの千葉でもやはり上限と言う物を設けています。
分りやすく言えば、千葉センターから出して預かっていられる数は決まっていて、誰かが譲渡されない限り、次の犬はセンターから出してあげられないのです。

それはそうですよね?どんどん際限なく引き出していたら、今頃とんでもない事になってしまっているでしょう。
CATNAPが引き出し検討をしていても、たまたま他の団体からお声掛りがあって、命を繋げることが出来たならそれはそれでいいのです。
しかしご存知の方も多いと思いますが、CATNAPがセンターから引き出し検討をするのは、他の団体の方からのお声掛りの無かった犬ばかりで、保護犬の「 最後の砦 」とさえ言われている程なのです。
ですからCATNAPが引き出さなかった、いえ引き出してあげる事が出来なかった犬は・・・
可哀想でとても言葉になど出来ません・・・
ですからこの○○ちゃんはもう処分されずに済むけれども、まだセンターで命が繋がるのを待って居る犬、一日も早くセンターから出たいと願っている犬が数え切れないほど居るのです。
ですから一日でも早く卒業させて、待って居る犬の命を繋げてあげなければならないのです。

仮母は誰かが正式譲渡になって本当のお家に貰われて行く度、こんな風に思います。
「 Aさまは確かにBちゃんだけの里親さまで、Bちゃんだけを助けて下さったのかも知れない、でもその事によってBちゃんに続く事が出来た命も、全部助けてあげている事になるのよね・・・有り難い事だわ・・・」と。
Bちゃんが卒業したあとの預かり枠にCちゃんがやって来て、Cちゃんが卒業したあとの預かり枠にDちゃんがやって来る。

そうやってどんどんネットワークが繋がっていくのです。
引き取って頂けてこそのネットワークなのです。
ですからどうか、皆さまの回りで「 犬が飼いたい 」とおっしゃる方がいらっしゃったなら、どうか保護犬の事を教えてあげて下さい。
ペットショップから迎えるのではなく、出来ればこういった保護犬から迎えて頂きたいのです。
確かに子犬から飼った方が可愛いかも知れませんし、自分の思い通りに育つかも知れません( 大体育ちませんが・・・)
保護犬は捨てられてしまったくらいですから、問題を抱えている事も多々あります。
でもそういう犬を迎えて育て上げる事で、また違った幸せも味わえるのではないかと思いますよ。
そうしてほんの少しでも意識を変えて、ネットワークを広げて行く事で、いずれは社会を変えて行く事が出来たらいいなと思っています。
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