今になって考えると、こんなに強運な子って居ませんでしたよね。
心無い飼い主の元で、小さくなった首輪をそのまま付けっ放しにされて、さらに血がダラダラ出ているのに「気が付かなかった」と首が半分になるまで放置され・・・
そしてさらには混合ワクチン接種をして貰っていなかった為、もう少し月齢が小さければ死に至る程の感染症に掛かり・・・
本当にロクでもない犬生でした。
どうしてこの子だけがこんな酷い目にばかり遭うの?
神さまって不公平よね・・・と何度も何度も思いました。
ですが・・・
優しい介護支援課の方々に見出され、しろいぬの里にやって来る事が出来ました。
そして緊急で手術をして頂き、首も綺麗に治りました。
本来ならば重篤な症状を発症するはずの感染症に掛かっても、何食わぬ顔で次の日にはピンピンしていました。
いいことなんて何もない犬生でしたけど、降りかかる困難をことごとく跳ね返し、ある意味強運の持ち主なのかも知れませんね。
しかもその強運はそれだけでは終わりませんでした。

ぶっちゃけ募集を掛けても、これといってキャッチーな特徴があるわけでもなく、脚も悪いし、なかなかご応募が無いかも知れないわね・・・と思いつつ一般公募を掛けてみました。
ところがね・・・募集広告を出して程なく、信じられないことにアンケートが届いたんですよね。
仮母はもう嬉しいやら驚くやら・・・世の中ってまだ捨てたものじゃないわね?と思わずには居られませんでした。
ん?いやいや、待て待て、お断りされるかも知れないし、譲渡出来ないような方かも知れないし、最後の最後まで気を抜かないでおかなくっちゃ!
そう気を引き締めつつ、いざお見合いに出陣しました。

ところがそんな仮母の心配を余所に、それはそれはいいご家族で、是非ラッキーくんをお願いしたい!と思わせるような、心優しい慈悲深いご家族だったのです。
まあね・・・高齢の犬や、病気の犬や、体に障害のある犬を引き取ろうか・・・とおっしゃる方に悪い人は居ませんよね。
若くて健康な保護犬なんて、他にいくらでも居るわけですから・・・
でもあえてそういう行き場のなさそうな子を引き取って下さる方って、精神世界が崇高なんでしょうかね?

この世知辛い世の中にあって・・・仮母、もう頭が下がりました。
そして里親のTさまもラッキーくんのことを気に入って下さり、お話はとんとん拍子に進んでトライアルの運びとなりました。
トライアル当日、Tさまのお宅はそれはそれは綺麗なマンションで、お宅の中も素敵なインテリアでした。
仮母はやんちゃ坊主のラッキーくんが悪さしませんように・・・と心の中でお祈りをしたのですが・・・
あら?ラッキーくんのサークルは?ケージは?
お宅の中を見回すと、ラッキーくん用のサークルもケージもありませんでした。
「えっと・・・サークルとかケージとかはご用意頂いておりませんでしょうか?

」とお伺いしたところ、「ええ、室内自由にさせようかと思っているんです〜」とのお答えでした。
仮母は「中型犬、いきなり室内フリー!?」とギョッとしたのですが、まあ試しにフリーにしてみようか・・・と思い立ちラッキーくんをお部屋に放したのですが・・・
もう〜いきなりトイレを失敗してしまうわ、そのあたりを馬車馬のように走り回り大暴れするわで「ああっ、これはまずいかもっ!」と冷や汗タラタラでした。
しかも最後にはソファーを踏み台にして、ダイニングテーブルに
ダ〜イブ!
ちょっと!やめなさ〜いっ!
さすがに目に余ったので、先代犬さんのキャリーを出して頂き、そこに入っていて貰うことにしました。
これはしばらく完全フリーにはしないで、徐々に信頼関係を築いてからにして頂かないと・・・と思い、車に常に積んである仮母の手持ちのサークルを置いておく事にしました。
が!・・・いつも車の中で邪魔だ邪魔だと思っていたサークルが、こういう時に限って無いんですね〜

家族の誰かが下ろしたのか、自分で下ろしたのか?パーツが足りなくて組みあがらないんです。。。(汗。。。
仕方がないので、家に付き次第発送するということで、「大丈夫かしら〜?」と後ろ髪を引かれつつ、Tさまにラッキーくんをお願いしてマンションを後にしました。
Tさまのマンションから我が家まで、距離としてはそんなに無いはずなのに、その日は異常に道が込んでおり、家に着いたのが夜の9時過ぎ・・・もう宅急便屋さんの事務所に持ち込む事も出来ません。
そうなると届くのが明後日になるかも知れないと思ったので、仮母はそのままサークルのパーツを車に積んでTさまのマンション目指していざ再出発〜!
着いたのは真夜中だったので、そのまま駐車場の草むらに隠して家に帰り着きました。
そんなこんなで無事サークルをお届けできたのですが、2〜3日経ってから頂くメールには「甘咬み」するだの「家具を咬む」だの、仮母にはやらなかった事をやりたい放題!
このぉ〜!せっかく貰って下さったのに、そんなバチ当たりなことをするんぢゃないわよっ!
でもね・・・心優しいTさまはどうにか乗り越えて下さって、正式にお迎えして下さいましたよ。
もうTさまが
観音菩薩さまに思えましたね・・・
今では週に1回ドッグトレーナーさんに来て頂いているそうで、かなり意思の疎通が出来るようになられたとか・・・
ラッキーくん・・・本当によかった・・・
そんなこんなで気丈な仮母がめげそうになった、ラッキーくんのレスキュー劇は無事に幕を閉じたのでした。
今から思えば色々なことがありましたね・・・
もうレスキュー止めたい!って思ったこともしばしば。
こんなのもうこりごりだわっ!と腹立たしくも思いました。
でも気が付けば、ラッキーくんは仮母に、大きな勇気と困難に打ち勝つ根性を与えてくれたんですよね。
助けてあげたんじゃなくて、助けられたんです。
ラッキーくんが仮母を成長させてくれたんだと、とてもおめでたい仮母の頭の中は、すっかりすり替わっているのでした。
最後に・・・
ラッキーくんの件では、皆さまにお礼を申し上げておかなければなりません。
保護当時物凄い怪我にただただ驚いてしまったのですが、「うちの会で引き取ります」と宣言出来たのも、日頃から皆さまがご寄付を下さるお陰です。
手術代やらウイルス対策やらで、治療費が10万弱掛かってしまったのですが、お陰さまで態勢に影響もなく会の運営が出来る事を深く感謝致します。
そういう意味でも本当にラッキーな子でしたね・・・
ラッキーくんを見つけて下さった介護支援課のUさまはじめ、レスキューに関わって下さった皆さま、ラッキーくんを治療して下さった提携病院の皆さま、ご寄付を下さった皆さま、ご支援をして下さった皆さま、アフィリエイトにご協力下さった皆さま、そしていつも応援して下さる皆さまに感謝致します。
ラッキーくんをお迎え下さったTさま、ラッキーくんをお迎え下さり、本当に有難うございました。
ラッキーくんは逆転サヨナラ場外ホームラン級の譲渡でした。

またたくさんのお土産やご寄付まで頂き、本当に有難うございました。
どうか末永くよろしくお願い致します。
ラッキーくん良い子で居なさいよ〜
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